片山が3戦連続3安打、陽川の第2号は宜野座まで飛んだ?《阪神・安芸キャンプ 24日》
阪神タイガースの安芸キャンプは24日に韓国プロ野球のハンファ・イーグルスと、また1日置いて26日に四国アイランドリーグ・高知と練習試合を行って、いよいよ27日に打ち上げを迎えます。
きょう26日の高知ファイティングドッグス戦は9回に逆転され、その裏に追い上げるも1点及ばず初黒星となりました。それでもルーキーの小幡竜平選手が3安打と初盗塁、高橋遥人投手やルーキー・湯浅京己投手が初登板するなど、話題は豊富です。この試合の詳細は次の記事までお待ちください。
今回は、24日に行われたハンファ戦の結果をご紹介します。またまた2日遅れですみません。この試合は9回に石井将希投手がつかまったものの1点差で逃げ切り勝ち。打っては陽川尚将選手が安芸キャンプ第2号!この日はDHで先発出場した片山雄哉選手が3試合連続の3安打と気を吐いています。なお5回の打席で左ふくらはぎに死球を受けた荒木郁也選手は「大丈夫…じゃないですよ~」と言いながら引き揚げ、きょう26日は別メニューでした。
《安芸キャンプ・練習試合》
阪神-ハンファ 2月24日 (安芸)
ハン 001 000 002 = 3
阪神 010 001 200 = 4
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【阪神】岩田-高橋聡-石崎-石井 / 小宮山‐片山(5回~)
【ハンファ】キム・ジンヨン(1回2/3)-キム・ヨンウ(2回1/3)‐チョ・ジフン(2回)‐キム・ジンウク(1回1/3)-ホン・ユサン(1回2/3) / ホ・グヮンフェ-チェ・ジュンヒョク(7回~)-キム・グヮンホ(9回)
◆本塁打 ハ:キム・ミンハ(岩田) 神:陽川(チョ・ジフン)
◆二塁打 ハ:キム・インファン
◆盗塁 神:陽川 ハ:キム・ミンハ
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]中:荒木 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃走中:俊介 (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]二:熊谷 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]左右:伊藤隼 (3-0-0 / 1-2 / 0 / 0)
4]三左:陽川 (5-2-1 / 0-0 / 1 / 0)
5]一:山崎 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
〃三:藤谷 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
6]指捕:片山 (4-3-1 / 0-0 / 0 / 0)
7]右一:森越 (3-1-1 / 0-1 / 0 / 0)
8]捕指:小宮山 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0)
9]遊:小幡 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
岩田 3回 32球 (3-1-0 / 1-1) 141
高橋聡 1回 10球 (0-2-0 / 0-0) 137
石崎 2回 30球 (0-0-1 / 0-0) 147
石井 3回 46球 (6-5-0 / 2-2) 142
<試合経過>※敬称略
打線は2回、1死から山崎が死球を選び、片山の右前打に続いて森越が右前タイムリー!しかし、1回と2回は1安打ずつ許しながら0点に抑えていた先発の岩田が3回、2死を取ったあとで1番のキム・ミンハに初球のスライダーをレフトへ。同点ホームランを浴びました。4回は高橋聡が初球で遊ゴロ、4番と5番は連続三振の三者凡退!次は石崎と片山のバッテリーで、まず5回が三者凡退。6回は2死から四球を与えたものの片山が盗塁阻止!3人で片づけます。
するとその裏、先頭の陽川が初球の真っすぐ(138キロ)を打って、レフトへのホームラン!1点勝ち越しました。7回、石井が3番からを三者凡退に切って取ると、その裏に追加点を挙げた打線。先頭の俊介が右前打、熊谷のバントは投手のエラーを誘って、2死後に山崎がセカンドと外野の間に落ちるタイムリー!なおも2死一、三塁で片山も中前タイムリーで続いて、この回2点を追加。
4対1で迎えた8回、石井が1死から連打されるも三振と盗塁阻止の併殺で無失点。阪神も1死から小幡が中前打するも、併殺で得点なしでした。そして9回、石井は先頭に中前打と盗塁を許し、1死後にライトフェンス直撃のタイムリー二塁打。続く4番にはバットを折りながら左前に運ばれて1死一、三塁となり、次は見逃しで2死を取ったのですが…代打のパク・ジョンヒョクに初球を打たれて右前タイムリー。最後は空振り三振で、何とか1点差は守って逃げ切っています。
宜野座組を“挑発”?楽しみなルーキーズ
では試合後の話をご紹介しましょう。まず平田勝男監督は3試合連続で3安打をマークしたルーキー・片山選手に「すごいなあ。いや~大したもんだよ。打ちそうな雰囲気を持ってるよ。盗塁を刺したのも大きいしね。最初のシートに比べたらすごい成長!まあ最初は緊張感もあっただろうけど。最近、フットワークがよくなった。足を使って投げる練習をしている。理にかなった練習をすれば、うまくなるということや」と言います。
同じくルーキー・小幡竜平選手の4試合連続安打についても「打つんだよな~。守備でも、ファンブルしかけても粘るしね。最後に1本ヒットを打つのも大したもんだよ」と話しています。やはり実戦向き?「それは感じるよね。練習ではそんなに見映えしないけど、試合になると何とかするもんねえ。足もあるしね。鍛え甲斐がある。ショート争いをおもしろくしてくれるよ。近本、木浪だけじゃないってことや」と、最後は宜野座へ向けての言葉でした。
宜野座といえば、陽川選手が6回に放ったソロに「あのホームラン、えげつなかった!角度も上がり始めたから打球が上がり出して、いい感じになってきた。ああいうのが出てくればね。あれネットに当たってなかったら宜野座まで飛んでたやろ!宜野座弾!すごかった。えげつなかった。久しぶりに見た」と、目を丸くしながら話す平田監督。よく考えたらレフトへのホームランだったので、宜野座とは逆…ですね。
また、藤谷洸介選手が6回にショートのエラーを誘ったのも、7回にタイムリーとなった当たりも初球を打ったもの。「しっかり準備して打席に立っているということ。少ないチャンスをものにするためにね」。最後に今キャンプ初登板の高橋聡文投手のことは「きょうは貫禄のピッチングやね。予定通りや。球の走りがよかったし、ツーシームも。100%じゃないにしてもよかったよ」と納得の平田監督です。
キャンプでの収穫もたくさん!
次に選手のコメントです。片山選手は3試合連続3安打にも「特に、きょう打ったからというのはないですね。きょうはきょう、きのうはきのう、よくても悪くても切り替えているので」と淡々。ただ「きょう新井コーチから『調子の悪い時ほど大胆に』ということを言われました。心の準備、体の準備が伴って、きょうの結果が出たかな」とも言っていました。
この日は初めてDHでのスタート。「普段とは入りが違うので、ゲーム前に走る回数を増やしたりしました。いつもはブルペンでピッチャーと話している時間ですけど、そうやって準備ができていたかなと思います」。この他にもいろいろ話をしてくれた片山選手。また日を改めてご紹介しますので、お待ちください。
陽川選手は6回に先頭で初球の真っすぐをレフトへホームラン。いつも通り「何もないですよ」と帰りかけたので、平田監督が「宜野座まで飛んだ」と絶賛したことを伝えたら、思わず笑顔になりました。手応え十分?「あれはよかったです!」。20日の西武戦で放った1号より?「はい。きょうの方がよかった」。監督が、打球の角度も上がってきたと話していましたが「それはあまり気にしていません」とのこと。「積極的に行こうと思っていて、それは変えずに行きたいです」
最後は3イニングを投げた石井投手。7回は三者凡退で、8回もピンチを切り抜けたけれど9回に4安打されて2点を失いました。「打たれたのがみんな真ん中で…でもコースに行った球は押せていた。真っすぐはそこがよかったと思います。スライダーは今練習していて、いつもより多めに投げました。ストレートに近いスライダーを投げています。きょうはバラバラでしたけど、ストレートみたいな、それに近いスライダーを投げたい」
真っすぐに近いスライダーで「きょうはキャッチボールで感覚がよかったので投げました。まだカーブ性が強いので見切られたりしていますね」とのこと。全体を振り返って「打たれたのは真ん中に行ったストレート。スライダーもいくつかあって。それもおそらく簡単におっつけられたり。右バッターのバットを折ったレフト前(9回の4番打者)のスライダーはよかったです」と石井投手。そして「感覚はいいので続けていきます」と締めくくりました。
<掲載写真は筆者撮影>