新しいMacデスクトップ「Mac Studio」登場、サイズは小型でも性能はPro以上?
3月9日午前3時に始まったアップルの発表イベントでは、デスクトップ型Macの新モデル「Mac Studio」が登場。小型でありながら部分的にはMac Proを上回る性能を秘めているとみられ、高まり続けるクリエイティブ需要に応えるモデルとなっています。
イベントの前半では性能向上を図った「第3世代iPhone SE」と「第5世代iPad Air」が登場。続くイベント後半はすべてMacに関する発表となりました。イベントの主役といえる新製品が「Mac Studio」です。
新しいデスクトップ型Macの発表に伴い、プロセッサーも強化。14/16インチMacBook Proが採用したM1 Maxよりもさらに上位となる「M1 Ultra」が登場しました。アップルはM1ファミリーとしては最後のプロセッサーと紹介しています。
M1 Ultraは、「2つのM1 Max」を1つにつなげたようなプロセッサーです。アプリケーションからは高性能16コアと高効率4コアを備えた1つの大きなCPUに見えるため、アプリ側で追加の対応をする必要はなさそうです。
このM1 Ultraの性能を引き出すため、Mac Studioの底面積はMac miniと同じですが、高さが3倍近くに増加しています。大きくなった部分には冷却装置が入っており、底面から吸い込んだ冷たい空気でプロセッサーなどを冷却し、背面から排出するというエアフローになっています。
性能の比較対象としては27インチiMacに加え、最上位の「Mac Pro」が登場。インテル製「Xeon」プロセッサーやAMD製「Radeon Pro」グラフィックスカードを搭載したMac Proに対して、性能面でMac Studioが大きく上回る場合があることを強調しました。
Mac Studioの見た目は「大きなMac mini」ですが、中身を考えると「小型のMac Pro」という印象です。価格は最小構成で約25万円からとなっており、同クラスのMacBook Proと比べるとディスプレイがない分、お買い得になっています。
Mac Studioに組み合わせるディスプレイとしては、27型で5K解像度の「Studio Display」を発表しました。Mac Studioからは最大4台の6Kディスプレイと、1台の4K HDMIによる最大5画面出力に対応しており、マルチ画面が必須の仕事にも向いていそうです。
ターゲットとして、プロのクリエイターはもちろんですが、最近は「個人」が活躍する場所がますます増えており、インフルエンサーやビジネスパーソンによるクリエイティブ需要が増えています。Mac Proは大げさだけどMac miniでは物足りないというニーズに応えつつ、新たな市場を開拓していくかもしれません。
さらに強力な「Mac Pro」は次の機会に登場か
アップルはMacのラインアップ全般について、インテルからApple Siliconへの移行を進めています。今回、27インチのiMacは販売終了となりましたが、最上位の「Mac Pro」については、また別の機会に発表すると予告しています。
今回のイベントの案内状は英語で「Peek Performance」で、Peek(のぞき見る)とPeak(最高峰の)をかけた表現です。ただし、あくまで「Peek」であり、さらに強力なMac Proが控えていることを示唆しています。
筆者はメモリ16GBのM1 Mac miniで仕事をしていることもあり、Mac Studioは気になる存在ですが、最小構成でもややオーバースペックという印象です。残念ながらMac miniの上位モデルは発表されず、現在もインテル版の販売が継続されています。