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西日本は”桜散らし”の大雨か、関東は気温のダブル降下に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨に濡れた散り際の桜(写真:イメージマート)

あさって3日(水)は西から大雨に

降水量と暖湿流の予想(ウェザーマップ)
降水量と暖湿流の予想(ウェザーマップ)

週末は季節外れの陽気、暑さとなりました。関東以西では続々と桜が開花し、急速に見頃となった所も多く、きのう31日(日)は全国のトップを切って、高知で満開の発表がありました。ところがこの満開となった桜に大雨の試練が訪れようとしています。

上図左のようにあさって3日(水)は、低気圧や前線の影響で、西日本から東日本にかけて雨の所が多くなり、西日本を中心に活発な雨雲も通過する見込みです。上図右の暖湿流の予想をみると、西日本には広く330K以上の暖湿流が流れ込み、特に九州には340K以上の際立った暖湿流も流れ込む予想です。

これは1時間に30ミリ以上の激しい雨はもちろん、風の収束や地形効果による上昇気流が強まるなどした場合、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨や80ミリ以上の猛烈な雨が降ってもおかしくないような梅雨時を思わせる危険な暖湿流ともいえます。

西日本は警報級の大雨のおそれ

36時間の予想降水量(ウェザーマップ)
36時間の予想降水量(ウェザーマップ)

すでに気象庁からは早期注意情報(警報級の可能性)で、あさって3日(水)は西日本で警報級の大雨となるおそれがある旨発表されています。コンピュータによる総雨量の計算では、紀伊半島や中国、九州を中心に150ミリから一部では200ミリ以上の大雨が予想されていて、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに、警戒が必要です。

また高知など、桜が満開となったあと、数日経ってからの大雨となるような場所では、花びらが落ちやすくなっていますので、桜散らしの大雨となるかもしれません。一方、東京などではまだ桜散らしの雨とはならないものの、気温のダブル降下による寒の戻り、花冷えに注意が必要です。

関東は気温のダブル降下に要注意(まず1回目)

東京の天気と気温の推移(ウェザーマップ)
東京の天気と気温の推移(ウェザーマップ)

きのう31日(日)は、関東で気温が大きく上昇し、3月の観測史上1位という暑さが続出しました。上図は東京の気温グラフですが、正午と午後3時には26度を超えていて、これでも2013年3月10日に記録した25.3度を超え、観測史上1位の暑さとなりますが、最高気温は午後1時半頃に28.1度を観測し、7月上旬並みの暑さで、3月の1位の暑さを大幅に更新しました。

ところがきょう4月1日(月)は際立った暖気が抜け、東寄りの風が吹いているため、きのう31日(日)よりは大幅にダウンし、最高気温は18度から20度程度に落ち着くでしょう。1回目の気温ダウンです。ただこれでも平年よりは高めですが、きのうよりはかなり涼しく感じられるでしょう。そして要注意なのは2回目の気温ダウンです。

関東は気温のダブル降下に要注意(2回目)

東京の天気と気温の推移(ウェザーマップ)
東京の天気と気温の推移(ウェザーマップ)

あす2日(火)も晴れて、20度近くまで上がりますが、西日本で大雨のおそれがあるあさって3日(水)は、関東では冷たい雨となり、上図のように日中に気温が下がり、午後は10度そこそこの気温で、寒の戻り、花冷えとなるでしょう。さらに沿岸部を中心に、北風も強まる可能性があります。この気温のダブル降下により、季節外れの暑さだったきのう31日(日)と比べると、約15度も低下することになりそうです。

またその後も、今週末から来週にかけては、たびたび南岸低気圧が通過するため、冷たい雨が降り、花冷えの日が多くなるかもしれません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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