竹島そのものの認知度は94.5%(2019年公開版)
内閣府は2019年10月、竹島に関する世論調査(※)の結果概要を発表した。その公開資料から現状の竹島に関する認知度などを確認する。
竹島は島根県に属し、隠岐島の北西約157キロ、北緯37度14分・東経131度52分に位置する、男島・女島から構成される島。戦後発効したサンフランシスコ講和条約で国際的に日本領帰属として確定したが、その直前に韓国が独自かつ一方的に海洋主権宣言(李承晩ライン宣言)を行い竹島の領有を主張、同島を自国領海に取り込み、以後同国が武力によって不法占拠・支配を継続しており、日本の施政権行使がさまたげられる状態が続いている。
今回発表された調査結果の内容によれば、「竹島」そのものの認知度は高く、調査対象母集団全体の94.5%が知っていると答えた。知らなかった人は4.5%に留まっている。
島そのもの、存在についての認知度は高い。直近年では前回調査より値がいくぶん増えているが、誤差の範囲。
一方、「竹島」に関する諸問題への認知度はそれほど高くないことが、今回の調査で明らかにされている。次に示すのは「竹島を知っている」人に限定し、具体的な諸問題の認知度を尋ねたものだが、多くて7割強に留まっている。
示された選択肢の中でもっとも認知度が高かったのは「竹島は(歴史的にも国際法上も明らかに)我が国固有の領土である」で77.7%。前回調査から1.0%ポイントの減少を示している。2013年調査分と比べて2014年調査分以降は大きな増加を示しているが、2013年調査では「竹島は歴史的にも国際法上も明らかに我が国固有の領土である」と詳しい説明がなされていたのに対し、2014年調査以降は単に「竹島は我が国固有の領土である」とのみ尋ねている。つまり「歴史的」「国際法上」という言葉が判断を鈍らせたとも解釈できる。シンプルで分かりやすい説明の方が、認識されやすいのかもしれない。
「竹島には現在も韓国が警備隊員などを常駐させるなどして不法占拠を続けている」は63.5%。前回調査とほとんど変わりない。今件は竹島そのものを知っている人に限定しているので、調査対象母集団全体では63.5%×94.5%で60.0%となる。
報道のされ方も問題の一つではあるが、「我が国は韓国側が竹島に関する何らかの措置を行う度に、韓国に対して抗議している」は61.2%と6割強の認識。また、地理的・歴史的背景などを知っている人も認知度そのものと比べれば多いとは言えない。
今件問題については今まで以上に多種多様な方面から、積極的な啓蒙活動と周知への努力が求められよう。
■関連記事:
安倍外交をアジア・アメリカはおおむね評価、反発するは中韓のみ
「好感触8割」日本への東南アジア諸国の感情は良好、ただし韓国・中国は…
※竹島に関する世論調査
2019年9月26日から10月6日にかけて、全国18歳以上の日本国籍を有する人3000人に対し、調査員による個別面接聴取方式によって行われたもので、有効回答数は1546人。2014年実施までの調査では20歳以上を対象としていたのに対し、2017年実施の調査からは18歳以上を対象としているため、2014年分までと2017年分以降との間に厳密な連続性は無いことに注意が必要。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。