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世界ウエルター級4位が禁止薬物検査で陽性

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
コーナー・ベン(写真:ロイター/アフロ)

 10月8日に開催が決まっていたWBA/WBOウエルター級4位、WBCとIBFでも5位にランクされるコナー・ベン(26)vs.クリス・ユーバンク・ジュニア(33)戦がキャンセルされた。ベンが、7月25日と9月1日に任意で行われたVADA(Voluntary Anti-Doping Association)の検査で、禁止薬物の使用が明らかになったのだ。

現役時代のナイジェル・ベン
現役時代のナイジェル・ベン写真:ロイター/アフロ

 コナー・ベンの父であり元WBOミドル級、WBCスーパーミドル級チャンプだったナイジェル・ベンと、クリス・ユーバンク・ジュニアの父で、WBOのミドルとスーパーミドルのベルトを巻いたクリス・ユーバンク・シニアは1990年11月と1993年10月に対戦したライバルだ(ベンの1敗1引き分け)。

 今回の息子同士の戦いも注目を集めていた。特にUKではPPVの売れ行きが期待された。

ユーバンク・ジュニア
ユーバンク・ジュニア写真:ロイター/アフロ

 ユーバンク・ジュニアはWBA暫定ミドル級王座とIBOスーパーミドル級タイトルをそれぞれ2度獲得している。戦績は32勝(23KO)2敗。コナー・ベンとの試合は、157パウンドのキャッチウエイトで戦うことに合意した。とはいえ、かなりの減量苦も漏れ伝わっていた。

 コナー・ベンは「最初に陽性という結果を告げられた折、テストそのものに欠陥があると感じた。自分はUKADテストを受け、全てクリアしている。7年のプロ生活で、こんなことになったのは初めてだよ」と潔白を主張しているが……。

 そもそもウエルター級のコリー・ベンと、ミドル級のユーバンク・ジュニアの試合を成立させること自体、無謀だったのかもしれない。

 21戦全勝14KOの世界4位は、今後いかなる現役生活を送るのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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