日本はまだ新型コロナの流行を制圧できるかもしれない インフルエンザ報告数、昨年ピーク時の6割減

[ロンドン発]手洗い励行や外出自粛など新型コロナウイルス対策が浸透したおかげか、今シーズンはインフルエンザの流行が抑えられています。今シーズンはすでにピークアウトしており、昨シーズンのピーク時に比べると定点当たり報告数はなんと6割減。

今シーズンのピークは2019年第52週(今年1月10日発表)で定点当たり報告数は23.24(患者報告数11万5002人)。昨年のピークは2019年第4週(2月1日発表)で57.09(患者報告数28万3388人)です。
今年第9週の定点当たり報告数(3月6日発表)は4.77(患者報告数2万3605人)となり、前週の定点当たり報告数6.12より減少。
都道府県別では新型コロナウイルスの流行で緊急事態を宣言した北海道がトップで13.79。石川県10.38、大阪府9.80、岩手県7.61、愛知県7.57、京都府7.02の順です。
定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約16.1万人となり、前週の推計値約20.2万人より減少しています。2019年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約711.5万人です。
昨シーズンの2019年第9週(3月8日発表)の資料をみると、2018年第36週以降の累積の推計受診者数は約1130.6万人。推計受診者数を見ても今シーズンは昨シーズンに比べて37%減となっています。

英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究では新型コロナウイルスは患者1人から平均して2.6人に感染すると推定されています。感染の6割強を止められれば、新型コロナウイルスの流行を抑え、鎮静化させることができます。
PCR検査による全数把握を目指すお隣の韓国には韓国のやり方がありますが、日本は日本のやり方で成果を上げ始めているのかもしれません。医療資源を新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいお年寄りや持病のある人に集中できるかがカギになると思います。
(おわり)