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円安でも激安で美味しい!バンコクの有名食堂で200円ちょいの鶏肉ぶっかけ飯をかきこむ

タイ旅行ライター吉田彩緒莉タイ大好きトラベルライター
久々にうまい鶏肉炒めを食べた

円安でタイ旅行もハードルが高い

ニュース番組やバラエティでは「円安でも人気の旅行先、タイ」と紹介されているタイ。それでも、2024年、ゴールデンウィークにタイに行ってみたものの、私が出歩いた場所ではこれまでで最も日本人が少ないと感じた。以前ならゴールデンウィークといえば、メジャーな観光地に行けば、日本人だらけでちょっと気まずいくらいだったはず。飛行機の中もタイ人が圧倒的に多い印象だった。

バンコクにはまだまだ安くてうまい食堂がある!

ちょっとおしゃれなカフェや高級レストラン、バーなどは、歴史的な超円安とバンコクも物価が上がっているため「え?日本より高い!」なんてこともある。ただ、以前ほどのお得感がなくなっても、まだまだバンコクには「うわあ、こんなにうまいものがこの料金で食べられるの?」という、ミラクルは残っているのだよ!

今回はタイ最大級の花市場「パーク・クロン花市場」にほど近く、バンコク三大寺院の一つ、ワット・ポーにも徒歩圏という観光をしていても立ち寄りやすい「シアオラン」という名食堂の、絶品鶏肉ぶっかけ飯を紹介したい。

ワットポーの目の前は趣きのあるカフェや食堂も多いが最近観光価格も気になる
ワットポーの目の前は趣きのあるカフェや食堂も多いが最近観光価格も気になる

シアオランのアクセスは船着き場とMRTどちらも便利

「シアオラン(ร้านเสียวหลัง)」はチャオプラヤーエキスプレス「Rajinee船着き場」から徒歩すぐ。

Rajinee船着き場。GoogleMAPと違う綴りが悩ましいw
Rajinee船着き場。GoogleMAPと違う綴りが悩ましいw

もしくはMRT「Sanam Chai駅」から200メートルほど。MRT「Sanam Chai」は、ここ数年で入り口が変わった巨大涅槃仏で知られるバンコク三大寺院の一つワット・ポーにも徒歩300メートルということもあり、ランチが先か、観光が先か、効率よく巡れるように計画を立てておこう。

ちなみに「シアオラン」はタイ最大級の花市場「パーク・クロン花市場」から徒歩すぐでもあるので、ワット・ポー→シャオランでランチ→パーク・クロン花市場というコースが効率的。

まず「シアオラン」の周囲には食堂めいたものがないので「あー、ここだな」とすぐわかるはずだ。

超人気店なのでランチ時を少しずらすこと

こちらが「シアオラン」。この日はバンコクで43度?という聞き捨てならない気温だったので、このように日よけが。以前来た時にもあったので、関係ないかも知れないが(笑)「日よけがなかったのでわからなかった!あんだのせいだ!」と言われても良いように、もしかしたら時期や時間によって変わるかもしれない、と付け加えておく。

ついたらすぐにわかる風貌。慎ましいタイの食堂風情だ
ついたらすぐにわかる風貌。慎ましいタイの食堂風情だ

ランチ時は満席の場合が多いので、少し遅らせるか、もしくは早めのブランチにしよう。流石にこの気温と日光ではテラス席に座る命知らずはいない。

私は過去二度ほど満席で入れなかったことがある。とにかく安く、美味しく、ボリューム満点で、花市場で働く皆さんや、学生さんでいっぱいなのだ。今回はわざと14時過ぎに来てみたのだが、おおっ!座れるではないか!

店内は思ったよりも涼しい。いや、外が暑過ぎたのかも
店内は思ったよりも涼しい。いや、外が暑過ぎたのかも

メニューは潔く2つ!シンプル・イズ・ベスト

店内に入ると、レジ番のように座っている品の良いご婦人と、見るからにいい人そうなお兄ちゃんが、満面の笑顔で「どこでも好きな所に座りなさい」「ここが涼しいよ」と促してくれる。
メニューは壁にドーン!
潔く2品のみ。それに目玉焼きをつけるかつけないかの選択が加わる。

この料金でも値上がりした跡が見える
この料金でも値上がりした跡が見える

ライススパイシーフライド、とあるのは、いわゆるパッガパオを乗せたご飯だ。1年前は45バーツだったが、このところタイも物価が上がっており、上げざるを得なかったのだろうなあ、と胸が痛くなった。だって、5バーツ上げて、必死で耐えてくれているんだもの。

前回はパッガパオを食べたのでこの日はもう一つの、Rice with chicken garlic and pepperとやらをいってみよう!

お水は煮沸したものが机の上に用意してあったので、2バーツの氷をいただくことにした。そして10バーツのフライドエッグ(カイダーオ)も乗せなくちゃ。ちなみにタイのフライドエッグことカイダーオは、どちらかというと目玉揚げ。油で揚げた際、星形になることからその名前が付いたのだとか。

愛されてきた証が壁に

料理をオーダーしてふと壁に目をやると、レジ前に座っている品の良いご婦人は、ちょっと前までホールでちゃきちゃき切り盛りしていたことがわかる。
有名人なのかな?美しいお嬢さん方や男前とのツーショット写真も。
この周囲の数字がいまいちよくわからなかったのだが、ピカピカに磨き上げられた簡素なテーブルや、ゴミひとつ落ちていないとても清潔なお店で、底辺価格で、最高の食材を仕入れ、美味しいと評判の鶏肉炒めを作りまくってきたわけだ。

何だかほのぼのする
何だかほのぼのする

さらに50年以上の歴史があるお店だというから驚き。清く正しく美しく...そんな言葉がぴたりと当てはまりそう。

鶏肉のニンニク胡椒炒めが旨すぎた!

Rice with chicken garlic and pepperこと鶏肉のニンニク胡椒炒めがキター!今日も鶏肉ゴロゴロ!腹ペコでなければ食べきることができない巨大な奴が、目の前に!

青唐辛子入りのナンプラーで味変が可能だ!
青唐辛子入りのナンプラーで味変が可能だ!

鶏肉がぷりっぷり。食べ盛りなら大喜び

ちょっと卵をずらしてみる。これでおわかりだろうか?鶏のから揚げを作るような大ぶりのぶつ切りが、これでもかと乗っている。300グラム近くあるんじゃなかろうか?

多すぎて笑いがこぼれてしまう
多すぎて笑いがこぼれてしまう

タイでも鶏肉はムネ肉が一番安いので、エアコンの効いたちょっとだけいい店でもムネ肉をほんの少しだけ使った炒め物の方が多いと思う。ご飯が全部消費しきれないほどお上品なお肉の乗せ方をするレストランなんて、たくさんある。
しかしシアオランは肉厚な鶏の腰の部分やモモ肉を使っているようだ。そしてお肉がご飯より多いんじゃないの?ご飯がおかずなの?と思ってしまうほど、これでもかと惜しみなく肉を提供してくれる。

しかもジューシー
しかもジューシー

肉は弾力があり、ぷりっぷり。さらに食べると「うほぉ」と言ってしまうほどジューシーな肉汁とガーリックの味が口の中で混ざり合い、更なる白飯を欲してしまう。また肉にはガーリックがしっかりとしみこんでおり、卵を崩して黄身を絡ませながらいただけば、そりゃもうトレビアーン。
当初「いやーん、食べきれない!」などと、のたまわっていた私の口の中に、茶褐色のプリプリの鶏肉と白いご飯がどんどん消えていく。

レジの後ろに厨房が見えるのだが、この暑いさなかに火柱を上げながら、中華鍋を振る男性の姿が。しかもアイスコーヒーを飲みつつ、豪快にかっこよく仕上げていく。パサつかずに仕上げるコツや、肉の下味付けなど50年の歴史で培われた秘密があるに違いない。
これで歴史的な円安の今でも一皿218円(2024年7月現在)!
ううん、これだから安食堂巡りはやめられない。どうだい?皆さん。円安でもタイに行けそうな気がして来たでしょう?

お腹いっぱい。夜ごはんはビールとフルーツのみに

私はあまりにもおいしくて、花市場で働く強そうなお兄さんレベルの早さで掻き込み、恐らく15分もかからず食べ終えた。というか、ゆっくり食べると、全部入らないと思う。味に飽きてきたら途中で青唐辛子入りのナンプラーで味変しながら食べよう。
また、もう一つのメニュー、日本ではガパオご飯でお馴染み「パッガパオ(ガパオ炒め)」も肉質も量も同じ上にガパオの葉がとても新鮮で美味しい。
マメ知識として日本人はガパオご飯を「挽肉炒めご飯」と勘違いしている人が非常に多く、ガパオ=挽肉?となる人もいる。ガパオというハーブで炒めればなんでも「パッガパオ」なのでタイ旅行前に覚えておこう。

「早食いすれば、完食できる。余裕だぜ」と思っていたものの、夜は何にも食べる気が起こらず、近くの屋台でソムオー(ザボン)とファラン(グアバ)というWさっぱり南国フルーツとキンキンに冷えたビールしか欲さなかった。

夜に豪華ディナーの予定を入れている人は別の日のランチに設定しよう!

土日は休み・夜営業はナシ

このお店、非常に人気はあるものの、早朝6時から夕方17時まで。まさに花市場と共に動いていると言っても良い。ビールも置いていないので、長居する店でもない。さらに土・日はお休み。時間は選ぶものの観光地の近くという立地なので、上手く調整してランチや朝食にあててみて!

シアオラン(ร้านเสียวหลัง)
所在地:227 Chakkraphet Rd, Wang Burapha Phirom, Phra Nakhon, Bangkok
営業時間:6時〜17時
定休日:土・日
MAPはこちら:シアオラン(ร้านเสียวหลัง)

タイ大好きトラベルライター

タイ旅行・タイエンタメ関連ライター。25年前タイにはまり「住んだら飽きるかも?」と1年住んで、ますますハマってしまいタイ大好き病が悪化。タイ関連記事は旅行、映画、ホテル、タイ芸能人・文化人インタビューなど多媒体&多岐に渡る。個性あるタイのホテルが大好きで泊まり歩く日々。特に好きな都市はチェンマイ、チェンライ、カオラック、バンコク、ホアヒン。ライター・編集者歴30年。大手音楽事務所宣伝部を経て某バンドの会報ディレクション、映画情報誌・旅行誌・インバウンドサイト・旅行サイトなど多くの編集部で執筆・編集を行ってきたライター・編集ひと筋のヒト。

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