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エアジャパン搭乗記・チェックイン方法やメリットデメリットを口コミより正直にレポート!成田~バンコク編

タイ旅行ライター吉田彩緒莉タイ大好きトラベルライター
安い時期は本当に安いエアジャパン

華々しいデビューを果たしたエアジャパン

2024年2月9日より成田~バンコク間に就航したエアジャパン(AirJapan)。2024年8月も終わろうとしている今では、多くの口コミを目にするようになった。そのため当初の「ANAのハイブリットエアライン」的な期待度の高い存在というより、既にお得なLCCとして定着しているように思う。

ファーストフライトは有名な旅行評論家やYouTuberが招かれ、テレビをはじめ数多くのメディアで華やかにお披露目された。機長の可愛らしい日本語披露に拍手をしたり、種類の多い機内食の味や、レザー調のかっこいいシートをほめたたえたりしたことで、コロナ禍以降飛行機の値段が上がって以降しょんぼりしていたタイリピーターたちの期待度は最高潮。

もう大丈夫だ。我らが日本の翼がLCCを出したからには、安く、そしてある程度のクオリティを保ちながら格安フライトが可能になる。バンザイ、エアジャパン!と誰もが舞い上がったものだ(すまない。「誰もが」は言い過ぎた)。

ということで私も実際の旅行の数ヶ月も前にフライトを予約。ワクワクしながら指折り数えて出発の日を待った。

エアジャパン(AirJapan)予約方法

エアジャパンは公式サイトでのみ予約が可能だ。
しかし片道2万円からという夢のフライトは、あくまでも飛行機に預ける荷物がなく、座席指定も決められたエリアのシート内だけという限られた旅行者にのみ与えられしスペシャルプライスだ。

飛行機に荷物を預ける人はそんなに安くない

見てくれたまえ。私は8万5,940円も支払うことになった。

エアジャパンフィーバーでデビューフライト直後にポチったあの日
エアジャパンフィーバーでデビューフライト直後にポチったあの日

私の滞在は長め。大きなスーツケースは必需品だ。しかしエアジャパンだけではなくLCCは、荷物を預けるだけで手数料が発生。
また、無料の座席指定エリア以外(非常口前・最前列など人気のエリア)を指定する場合や、機内食、飲料はもちろん有料。

一つひとつを指定するよりセットにした方が割安になるので、気を付けよう。
今回は初めてということもあり、行きは広い非常口前席をゲット!さんざんメディアで「美味しい」と紹介されていた機内食にもチャレンジせねばということで、機内食もセットになったプランをセレクト。

その結果...

座席指定以外にも、セキュリティサービスチャージなど細かく追加される
座席指定以外にも、セキュリティサービスチャージなど細かく追加される

そうこうしてたら行きの片道だけで45,800円に。
ただしバンコク発の帰りの便は深夜に寝ているだけという目論見の元、座席指定は無料の部分を選択。もちろん機内食はセレクトしないが、やはり荷物は預けるため以下の結果に。

日程によってはもっと安くすることも可能
日程によってはもっと安くすることも可能

帰りの片道2万8,700円は預ける荷物がある場合の、この時期の最低料金だ。これで往復できれば、かなり安いと思う。

しかし私の往復8万5,940円の支払いは、コロナ禍前で言えば「えっ?高い。JAL?ANA?」という金額だ。

ただ他に理由もあり、ゴールウデンウィークを挟んだ渡航、他のレガシーキャリアが燃油サーチャージ込みですべて往復10万以上だったことを考えると、行きのみ「非常口前席+機内食付」で往復8万5,940円は良しとしよう。

成田空港までの交通費追加で、レガシーキャリア代になる

白状すると、オプションを付けて10万円近くなった場合、羽田空港の方が近い人はエアジャパンにする必要がないかも。

エアジャパンは2024年8月現在、成田空港発しかない。
あなたの家から成田空港まで、往復いくらかかるだろう。私はもろもろ考えて東京駅から片道1,300円の激安バスで成田に向かった。往復2,600円+最寄駅から羽田空港までの交通費を考えると...実はこの時期のタイ航空とあまり料金的に変わらなくなってしまった。えへへ(恥)。
まあ、人生は一度きり!経験は多い方が良いよね(開き直り)!

もしあなたが京成スカイライナーや成田エキスプレスを使う人だったら、最初からレガシーキャリアの方が良いかもね。

就航1か月も経たぬうちに欠航で評判が落ちる

「ちょっと散在しちゃったかな?でも、ANAの傘下だからいいや!」などと思っていたチケット手配後、忘れもしない2024年2月22日のことだった。
華々しく報じられたファーストフライトから1か月も経たっていないのに、バンコク発便のエアジャパンが欠航。
スワンナプーム空港での案内がいい加減だったことで、多くの人々がスワンナプーム空港で何も指示もされないまま放置されていたと報じられる。
とても日本の翼とは思えない状態に陥ったことから
「所詮は安かろう悪かろう」
「ANA傘下なのに!」
「エアジャパンやーめた!」
など当時の様々なSNSには、デビュー時の盛り上がりから一転、地に落ちた感のメッセージが行き交った。

や、やばい大丈夫なんだろうか。日本到着翌日は取材だから欠航は嫌だな...しかしもうチケットを取ってしまったから仕方がない。

エアジャパンのチェックイン方法は?

迎えた当日。タイ出発日は張り切りすぎて4時間前に空港に着いてしまう私。真っ先にエアジャパンのカウンターを探した。なぜなら、エアジャパンは公式サイトでチケットは予約できてもオンラインチェックインまで完結できないからだ。

エアジャパンは成田空港第1ターミナルを利用

エアジャパンは成田空港第1ターミナルを利用。LCCが集まる第3ターミナルではなく、ANAと同じターミナルなので、少しだけ安心する。

エアカナダのカウンター近くに看板を発見
エアカナダのカウンター近くに看板を発見

看板が発見できたのは良いものの、チェックインカウンターがない。ANAのチェックインマシンでチェックインするのかな?と思いつつ、職員の方に聞くと、こんな返事が返って来た。
「エアジャパンはこちらのマシンではチェックインできません。搭乗2時間前までに搭乗券をメールで送付します。搭乗券が届いたら預ける荷物がある方のみ、Self Bag Dropを使って預けます」

と言われた。え?何それどういう意味?

つまり、勝手にチェックインしてくれるが、搭乗券がメールに送付されるまで荷物が預けられないと言うことだ。いつもは早めにチェックインして、荷物を預け、とっとと出国手続きを終え、出国したという自由を楽しむのに。大きな荷物を引きずったまま「国内側」で過ごすことになった。

搭乗券通知に謎の文言。真剣に受け止めたら搭乗条件のハードルが高すぎる!

しょんぼりしていると、意外にも早く、3時間前には搭乗券がメールに届いた。しかしそれを見て私は目を疑った。

3時間前に到着したメール
3時間前に到着したメール

よく見てほしい。自分の目がおかしくなったのかと、まずは自分を疑ったほど衝撃的な文面が!

一体だれがこのメールを書いているのか?
一体だれがこのメールを書いているのか?

離婚後?エアジャパンって離婚しないと搭乗できないのか(爆笑)?独身者はまず結婚しないと、エアジャパンに乗れないのか?なんてハードルの高い搭乗条件なんだ!
この文言に疑問を感じた人なら質問を送りそうだが「このメールは送信専用...」の一言が。あーつまり、メールができないのか、と思っていたら「このままご返信いただいても構いません」
どっちやねん!

搭乗券送付だけで何かと爆笑させてくれるエアジャパン。もしかして「空のエンターテイナー」なのか?

荷物預けに長蛇の列

エアジャパンのSelf Bag Dropは搭乗券がないと預けられないシステムなので、このメールで荷物を預けたい乗客が一度に集まってくる。エアカナダと並列してあるのだが、並んでいるのに、時々エアカナダの乗客を職員が率先して割り込ませてくるので困った。
よく見ると、制服がエアジャパンでも、エアカナダでもANAでもない。こういう人たちって、どこの職員なんだろう。
離婚しないと搭乗できないかもしれないから、荷物を預かってもらえないかもしれないとドキドキしていたが、荷物は普通に預かってもらえた。何より不思議なのは搭乗券のあのメールを見ても、誰も騒いでいなかったことだ。もしかして全員離婚済みなのか?
そんなわけなかろう!
みんな私より心優しい人たちだから、誤字か翻訳システムがおかしいだけだって、すぐに気づいただけなのさ。

多分私より優しい人たち
多分私より優しい人たち

エアジャパン・バンコク行きに搭乗!

荷物を預けたのでとっとと保安検査と出国手続きを済ませ、エアジャパンの搭乗ゲート付近へ。ここで一つ、後で大変感謝することになる出会いが!セブンイレブン 成田空港第1ターミナル店だ!
エアジャパンは食べ物の持ち込みについて、特に禁止はしていない。ただしアルコール飲料はご遠慮くださいとのことだ。
私はお茶とタコの燻製とスモークチーズを購入。タイ人の皆さんはスイーツを見てはしゃいでいる。カワイイ...。

搭乗ゲートから見える我らがエアジャパン
搭乗ゲートから見える我らがエアジャパン

搭乗ゲート前はマッサージシートやテーブルが置いてあるエリアもあり、コンビニで買ったアルコールやお弁当で食事とする方々も多いようだ。
空港内のレストランもインフレでかなりお高い。出国後のパブで生ビール1杯800円取られた時は、気絶しそうになったから、次はコンビニでお酒かって、搭乗ゲート前のフリースペースで飲もう。
まさか世界で最も豪華な空港7位に選出され日本よりも上位だった、我が愛するバンコク・スワンナプーム空港に足りない部分は「こういった誰にでも優しい所だとよな」って帰国便で痛感することになるとは夢にも思わなかったのだが...。

オプション加算だけどゲットして良かった非常口前席

本当は片道2万円台からで飛べるのに、はしゃいで色々オプション付けた結果、高額フライトに。それでもうれしい非常口前席。

わーい!こんなに広い!
わーい!こんなに広い!

一番ゆとりのあるこの席に座る人は3席並びの席に私一人のみ。エアジャパンは全席エコノミークラス。シートピッチが国際線エコノミークラスの中でも約81センチとトップクラスのゆとりなので、別に非常席口前にしなくても良いと思ったのかもしれない。せっかくお得な便に搭乗するのだから一銭もお金を金かけたくないという堅実な乗客が多いようだ。
シートはグレーに曙色のレザー調で、高級感もある。

中央のゆとり席のご夫婦と、私の3人だけが、この列に座っていた。バックの中にはおつまみ
中央のゆとり席のご夫婦と、私の3人だけが、この列に座っていた。バックの中にはおつまみ

ただし残念ながら手すりを上に上げることができないので、一列占領して爆睡することはできない。

行ってきます!富士山
行ってきます!富士山

私が搭乗した日はすでに「遅延が多い」との評判もだいぶ広がっていただけに、不安だった。しかし定刻通り出発。遅延するのは成田空港側でがなく、やはりあちら側なのだろう。日本の空港は凄い。

最上席指定・荷物預け・機内食はセットセレクトの方がお得

最初に断っておくが、座席によっては(もちろん有料の中でも最も高い席)水やコーヒーなどソフトドリンクが無料の席がある。しかし、それ以外の席は何も出ない。水は機内食を注文すればありがたくもボトル1本だけもらえる。

「ANA傘下だから水はもらえると思っていた」と勘違いしている人の口コミをかなり多く見たのだが、今エアジャパンのチケットは、エアアジアより安い。それ以上のサービスを望んでも無駄だ。

さあ、話題の路線(予約購入当初は)の話題の機内食をいただこう。荷物預け・非常口前席の座席指定・機内食込みのプランを予約したので「0円」表記だが、私のオーダーしたサーモン照り焼き丼は個別注文すれば1,600円。

最上席指定・機内荷物預け・機内食は別々にオーダーすると、最終的にチケット代がもう少し高くなる。実はセットの方がお得なのだ。

機内食は厚み1センチ!女性でも足りない小ポーション

蓋を開ける前に「あれ?薄いな?」と一瞬思った。でも気のせいかな?って思い込んだ。お披露目の日に散々名だたる旅行評論家やテレビ番組、有名雑誌が褒めたたえていた機内食に限って、そんなことあるわけないだろう。ありました(衝撃)!
問題になるからあえて書かないが某web媒体では「お寿司が9個も入っている!」と書いてあった。さぞや一つが小さかったはずで、あの記事のレビューはかなり誤解を招く。

心を落ち着かせるために500円で購入した角ハイボールを開け、そして機内食の蓋を開ける。ちなみに本来はスマートフォンで飲食物をオーダー可能だが、2024年8月現在、このサービスは一時停止中(とほほ)。CAさんに直接お願いしよう。

一見豪華に見えるサーモン照り焼き丼
一見豪華に見えるサーモン照り焼き丼

写真ではわからないと思うが、鮭の切り身は薄さ5ミリくらい。卵は白身と黄身とを別にしてきれいに整えたもので、とても小さい輪切り。そして驚くべきはご飯の薄さ。なんと1センチ程度。

味はさすがに美味しい!

なんて控えめな盛りなの!そして、まるでミニチュアみたいだけど何て美しい盛り付けなの!

これでまずかったら突然機内で号泣していたところだが、さすがは日本ブランド。味はこれまで食べたエコノミークラスの機内食の中でもトップクラスの美味さ。鮭は柔らかく、しょっぱすぎず絶妙な味付けだ。だからお願い、機内食2つちょうだい。それくらい小さい。

ああ、良かった。タコの燻製とチーズ買ってきて。この後無性に冷たいハイボールが飲みたくなり、もう1本オーダー。結局いくら使ったんだろう。飛行機で飲むのが好き、という人は、断然お代わり自由なレガシーキャリアをおすすめする。

スマホでエンターテイメントが見れるはずか見れない

エアジャパンの公式サイトでは無料で使えるエンタメ専用のWi-Fiがあり、自分の持っているスマホやタブレットで自由に楽しめることが、売りの一つになっている。
しかし、スマホでの機内食オーダーができなかったことも関係しているのか、私の乗ったフライトでは見ることができなかった。それとは別に、有料のWi-Fiプランもある。それはエンタメ専用Wi-Fiとは異なり、切り替えなければならない。

USBポートでスマホの充電はできる。だからこそ、もしエンタメが楽しめるようになれば、かなり格が上がるように思った。

惨めな気持ちになるバンコク~成田帰国便搭乗まで。

それでも最高に広々とした非常口前席で存分に寛げ、機内食も飲酒も楽しんだバンコク行きのフライトは快適だった。
エアジャパンの真骨頂は、日本発ではない。バンコク発の帰国便だ。この便に搭乗しなければ、エアジャパンの「アジ」、エアジャパンの「醍醐味」を語ってはいけない。エアジャパン、最大の惨めな体験は帰国便にある。

もちろん受け付けカウンターは直前まで表示されない
もちろん受け付けカウンターは直前まで表示されない

空港の職員の態度が冷たくて泣ける

元々、タイの空港職員は日本と比較するとかなりドライ。微笑みの国のはずなのだが、空港職員に関してだけは25年間通っているのに、一度も微笑みの国の印象を受けたことがない。荷物を預ける際に重かろうが手も貸してくれないほど、何もしれくれない。これはレガシーキャリアにおいてもそうだ。

これがLCCとなると格段レベルが上がる。いや、下がるのか(笑)。

成田同様、3時間半前に搭乗券がメールに届いた。私は乗り継ぎでスワンナプーム空港に直接入ったため、これはありがたいと、エアジャパンのカウンターを探した。あったあった!もう準備ができている上に、荷物を預けるカウンターは決まっている。空いている間に預けたいな、と写真一番左の水色の作業服を着ている職員に尋ねたところ、どう見てもゲームを開いているスマホをいじりながら「はぁ?」と面倒くさそうな声。目も合わさず「エアジャパン?2時間前にまた来て」と返される。

成田と違い場所が確保されてるし、搭乗券が届いたら荷物を預けろとメールに書いてある。あなたも暇なんだから良いじゃないか?と思いがちだが、仕方がない。タイは、厳格に与えられた仕事が分けられている。彼は多分、列を並ばせるためのポールを並べる人だったに違いない。せめて目を合わせてくれても良さそうなものだが(笑)。

左端の彼は客に尻を向けつづけていた
左端の彼は客に尻を向けつづけていた

搭乗券が届いてから1時間半、立ったまま並ばされる

タイの空港を若干庇せてもらうと、本来は凄く機能的だ。LCCであってもエアアジアのようにカウンターがびっくりするほど並んでいれば、意外と早く荷物を預かってくれる。レガシーキャリアでは特にタイ航空は凄い。さすがはフラッグキャリア。「どこからどこまでタイ航空のカウンターなの?」と叫びたくなるほど無数にカウンターがあるので、国際線のタイ航空なら、どこ行きの便でも、どこのカウンターからでも荷物が預けられる。
しかしエアジャパンのバンコク~成田空港行きはたった1本。そんなことしてもらえるはずがない。
だから1時間半、ただただ並ばされていた。荷物を預かってくれる職員は、コーヒーを飲みながら本当に2時間前にやってきた。

これだけ並んでいるのに職員が来ない
これだけ並んでいるのに職員が来ない

長蛇の列なのに職員が来ない間、物扱いされている気持ちでいっぱいになったが、私の後ろに並んでいたタイ人家族は素晴らしかった。よく子どもが泣かないな、と思う環境で「日本語でこんにちは、は何と言いますか?」と親が子どもにクイズを出しながら並んでいる。なんて心が広いんだ。私もそういう人間になりたい。

搭乗ゲート前の待合室が開かない上に、ギリギリまで遅延が知らされない

結論から言うと、帰りの便は1時間30分遅延した。もはやかなりよくあることらしく、誰も怒っていなかった。それは仕方がないとして、色々思うことがあったので最後まで正直レポートさせていただく。
スワンナプーム空港の造りはユニークで、通路のワンフロア下に搭乗ゲートがあり、搭乗ゲートの前の待合室に入れてもらえなければ、椅子に座れない。
荷物を無事に預けた後、最後の儀式「空港でビール」をしていたのだが、特に遅延の案内もないので指定通りの時間に搭乗ゲートへ。

ラインでのんびり「帰国連絡祭り」でもしようかと思っていたら、びっくり!もう最終案内の時間なのに、搭乗ゲートの待合室がオープンしておらず、入れない人々が廊下に溢れ出てるではないか?

椅子がたくさんある待合い室に入れてもらえず廊下にしゃがみ込む人々
椅子がたくさんある待合い室に入れてもらえず廊下にしゃがみ込む人々

この時点でも遅延することはどこにも表示されていないし、アナウンスもされていない。廊下に多くの人がしゃがみこんでいる姿は「世界の豪華な空港第7位」とは思えない凄惨な姿だ。
この後約20分後に、アイスコーヒーを片手にした女性職員が(またかよ!)優雅に歩いて待合室をオープンしてくれたのだが、この間、搭乗ゲートが使われている訳でも何でもない。要は、搭乗ゲートに職員を配する人件費を削っているのだろう。日本の空港ならば近くの搭乗ゲートに座っていれば、気付くので搭乗客が床にしゃがみ込むことなどありえないのだが。こんなことならもっとゆっくりビールを飲んだのに。
結局遅延の案内放送があったのは、本来の出発時間を少しすぎたころ。

ただこれらの対応はエアジャパンが悪いのではなく、エアジャパンのコストに対し、徹底的に人件費を削っているスワンナプーム空港側に大いに問題がありそうだ。

機内が寒すぎてブランケット購入作戦陰謀論を疑う

もう一つ言っておくことがある。エアジャパンはLCCなのでブランケット無料貸し出しサービスはない。どうしても欲しい場合、1,600円で購入する必要がある。

かつて何度かLCCでタイに飛んでいるので、パーカーやジャケットなど長袖の秋物があればブランケットは必要ない...はずだった。

行きも帰りも長袖の厚手のパーカーを着こんでいるのにもかかわらず、唇と足がガクガク。ここまで耐えられない寒さの機内は約70回タイに渡航している私でも初めて。もしや...有料のブランケットを買わせるために極限まで寒くしているんじゃなかろうな?そんな陰謀論まで考えた。悪いことは言わない。真夏でも冬の薄手のフリースやウルトラダウンを持って乗ろう。

エアジャパンに乗っても全く問題ない人

読んでお判りの通り、行きも帰りも大きなストレスは荷物を預けるという行程で発生する。他の要素も入れて以下の人々はエアジャパンを利用すべきだと思う。
・機内持ち込み荷物だけの身軽な人
・機内での飲み食いに全く興味がない人
・ウルトラライトダウンなど、本当に暖かく持ち運びしやすいコートを持っている人(わざわざこのために買ったら負けな気がする(笑))

エアジャパン搭乗・メリット&デメリットまとめ

ここまで読んでいて「悪口じゃねーか!」と思った人もいるかもしれない。それは違う。ANAではなくANA傘下のLCCであるというギャップと、激安である理由を探っているだけだ(開きなおり)。

そして散々叩かれたフライト欠航は、決してエアジャパンに全責任があるわけではなく、スワンナプーム空港側にも問題がありそうな気がしている。
ファーストフライトの際のほめちぎった各社のコメントはあくまでも「招待枠」で成田空港発の便だったことを忘れずに。

私は自腹で支払い、しかも遅延した便に乗ったので、きちんと事実を書かせていただいた迄だ。

でも悪いことばかりじゃない。最高に良い部分もある。最後にエアジャパンのメリットとデメリットを記したい。これらを最初に知っておき、対策していれば、快適な空の旅も可能だ。それでは皆さん、良い旅を!

エアジャパンのかわいいお尻
エアジャパンのかわいいお尻

エアジャパン搭乗・成田~バンコク メリット

・時期にもよるが直行便で行けるLCCの中ではトップクラスの安さ
・軽食は持ち込み可能。搭乗口付近にセブンイレブンがあるので保安検査後に持ち込み軽食や飲料を調達できる。ただしアルコールの持ち込みは「ご遠慮ください」だ。
・成田空港では荷物を預けなければストレスゼロ
・機内の案内はすべて日本語なので安心度が凄い
・シートのピッチが広くて、座り心地が良い
・CAさんは質問したり話しかけるとフレンドリーで楽しい人ばかり。ANAやJALのCAさんのように恭しくはないが、外資航空会社に多いタイプ。CAさん同士私語もするが、決していやな感じはしない

エアジャパン搭乗成田~バンコク デメリット

・バンコクから日本への帰国の際の遅延は当たり前で、場合によっては遅延のアナウンスも出発時間になってからのことがある
・タイあるあるだが、職員の仕事が細かく分かれており、ギリギリの時間まで対応してくれないため、荷物を預ける場合、長蛇の列に長時間並ぶことになる
・気のせいかもしれないが、スワンナプーム空港での扱いが最下層カテゴリーにランク付けされている気がする(被害妄想かもしれん)
・予想外に変なタイミングで待たされる。荷物を持ったまま食事ができる場所で食事をしたり、 保安検査後に食事をすると、物価の高いスワンナプーム空港。日本より高くつく。
・機内食が少なすぎる
・機内が厚手のパーカーを着ても寒すぎる
・2024年8月現在成田空港発しかない※将来的に関空などから増便予定があるそうだ

スワンナプーム空港の神よ!もっと優しくしてぇ!
スワンナプーム空港の神よ!もっと優しくしてぇ!

タイ大好きトラベルライター

タイ旅行・タイエンタメ関連ライター。25年前タイにはまり「住んだら飽きるかも?」と1年住んで、ますますハマってしまいタイ大好き病が悪化。タイ関連記事は旅行、映画、ホテル、タイ芸能人・文化人インタビューなど多媒体&多岐に渡る。個性あるタイのホテルが大好きで泊まり歩く日々。特に好きな都市はチェンマイ、チェンライ、カオラック、バンコク、ホアヒン。ライター・編集者歴30年。大手音楽事務所宣伝部を経て某バンドの会報ディレクション、映画情報誌・旅行誌・インバウンドサイト・旅行サイトなど多くの編集部で執筆・編集を行ってきたライター・編集ひと筋のヒト。

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