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【チェーン義務化】年末寒波で早めの備えを

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
来週28日頃は日本列島に非常に強い寒気が流れ込む予想(著者作成)

 この冬、国道や高速道路の一部区間でタイヤチェーンが義務化された。今後、日本列島には非常に強い寒気が流れ込む予想で、早めの雪道対策が必要だ。

27日(木)以降、非常に強い寒気  

 今月、日本列島にやってきた寒気は3回、昨年と比べると半分です。まだ寒さや雪に慣れていないなか、27日(木)以降、北・東日本にはトップシーズン並みの非常に強い寒気が流れ込む予想です。

 タイトル表紙は寒気の予想図です。寒さや降雪を予想する指標として、上空5千メートル付近の気温を用います。

 マイナス30度の寒気に覆われると平地でも雪が降り、積もります。そして、マイナス36度以下になると、雪の降り方が格段に強まり、大雪に警戒しなければなりません。

 27日(木)以降、30日(日)頃にかけて、北陸から北の日本海側は平地を含めて、大雪に警戒が必要です。暖冬の影響で、日本海の海面水温は平年と比べて高く、強い寒気が流れ込むと雪雲が発達しやすくなっています。先日は新潟県で大雪ではなく大雨警報が発表されました。そのときは気温が高かったので雨でしたが、今後は気温が下がるため、大雪となる見通しです。

チェーン義務化 帰省ラッシュは大雪予想

 この冬から国道や高速道路の一部区間でタイヤチェーンが義務化されました。チェーン規制が行われた場合、義務化された区間ではタイヤチェーンを装着していないと通行できなくなったのです。

 この年末、帰省ラッシュのピークは29日(土)、30日(日)と予想されています。こちらは国土交通省が発表した「平成30年度チェーン規制調整箇所一覧」から高速道路を選び、帰省ラッシュ時の天気予報を示したものです。

【チェーン義務化区間】帰省ラッシュ時の天気予報(ウェザーマップ予報、著者作成)
【チェーン義務化区間】帰省ラッシュ時の天気予報(ウェザーマップ予報、著者作成)

 上信越の信濃町IC-新井PA、北陸道の丸岡IC-加賀IC、同じく北陸道の木之本IC-今庄IC、米子道の湯原IC-江府ICでは降雪が予想され、とくに北陸道は強い雪が降り、大雪となるおそれがあります。

早めの雪道対策を

 もちろん、タイヤチェーンが義務化された区間だけではなく、積雪や凍結している道路は備えと慎重な運転が求められます。この年末、車で移動を予定されている方は正月準備に加えて、早めの雪道対策をお願いします。

【参考資料】

国土交通省ホームページ:チェーン規制Q&A

帰省ラッシュ時の天気予報では下記のアメダス地点を用いました。

「上信越」信濃町IC-新井PA:信濃町(長野)

「中央道」須玉IC-長坂IC:大泉(山梨)

「中央道」飯田山本IC-園原IC:飯田(長野)

「北陸道」丸岡IC-加賀IC:加賀菅谷(石川)

「北陸道」木之本IC-今庄IC:今庄(福井)

「米子道」湯原IC-江府IC:上長田(岡山)

「浜田道」大朝IC-江府IC:大朝(広島)

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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