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風雲!掛川城での王将戦第1局 藤井聡太挑戦者(19)が47手目を封じて1日目終了

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月9日。静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室において第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局▲藤井聡太挑戦者(19歳)-△渡辺明王将(37歳)戦、1日目の対局が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

https://mainichi.jp/oshosen/2022

 午前、渡辺王将は地元名物のキウイジュースを飲んでいました。

「将棋の渡辺くん」(2021年12月号)ではハイスペックなコンピュータを導入した話、そして掛川のキウイが美味しい、という話が描かれています。

 伊奈めぐみさんによれば「旦那とキウイ 瓜二つ」だそうです。

 掛川対局では6戦全勝中の渡辺竜王。盤外の対策も万全といったところでしょう。

 盤上ではもちろん、棋界随一の戦略家として知られる渡辺王将。最新コンピュータを導入して、どこまで研究は深まったでしょうか。

 午後、藤井竜王は「掛川紅ほっぺのショートケーキ」を注文していました。

 昨年の王将戦は永瀬拓矢挑戦者(当時)がシリーズを通じて、いちごを多く注文していました。

 46手目。渡辺王将は4筋の歩を突いて駒組を進めます。そのまま時が過ぎ、18時。立会人の森内俊之九段が声をかけます。

森内「定刻になりました。藤井挑戦者は次の手を封じてください」

 ここから少し、藤井挑戦者はしばらく考えていました。

藤井「封じます」

 18時5分頃、藤井挑戦者は47手目を封じる意思を示しました。

 藤井挑戦者は別室に移動し、封じ手用紙に次の手を記入したあと、封筒に入れて封をします。対局室に戻って渡辺王将に封緘のサインをしてもらったあと、森内九段に封筒を2通預け、1日目の対局が終わりました。

 形勢、時間消費はともにほぼ互角です。高度な序盤の駆け引きが続いて、本格的な戦いは明日2日目に持ち越されました。

 明日は朝9時に封じ手が開封され、対局が再開されます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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