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こちらのタイガースによる「開幕からの連敗」は、阪神が継続中の9連敗より長く…

宇根夏樹ベースボール・ライター
デトロイト・タイガース September 27, 2003(写真:ロイター/アフロ)

 阪神タイガースは、開幕から9試合続けて負けている。それまでの球団記録だった開幕5連敗(1968年、1991年、1995年)を更新し、さらに、1979年にヤクルト・スワローズが樹立した開幕8連敗のセ・リーグ記録も塗り替えた。現時点では、日本プロ野球史上5番目の長さだ。1955年のトンボ・ユニオンズ(12連敗)、1979年の西武ライオンズ(12連敗)、2002年の千葉ロッテ・マリーンズ(11連敗)、1961年の阪急ブレーブス(10連敗)に次ぐ。

 一方、デトロイト・タイガースによる、開幕からの連敗記録は――阪神ファンの慰めにはならないだろうが――さらに長い。今から102年前の1920年に、開幕13連敗を記録している。この年を含め、タイガースの開幕9連敗以上は3度。その2度目と3度目は、2002年の開幕11連敗と2003年の開幕9連敗だ。シーズン93敗の1920年はア・リーグ8チーム中7位(当時は地区制なし)だったが、2002年と2003年はア・リーグ中地区の5チーム中5位に終わった。両シーズンとも、黒星は100を超え、2003年は119敗。1962年にニューヨーク・メッツが打ち立てた、120敗のシーズン最多記録(1900年以降)まで、あと1敗に迫った。

 ちなみに、2002~03年にタイガースの選手として試合に出場した75人中11人は、時期の前後を問わず、日本プロ野球でもプレーしている。だが、彼らのなかに、阪神に在籍した選手はいない。また、11人のうち、2002年の開幕11連敗と2003年の開幕9連敗を両方とも経験した選手も皆無だ。少なくとも一方のストリーク中は、傘下のマイナーリーグのチームか、他のチームにいた。

 なお、開幕からの連敗のメジャーリーグ記録は、1920年の開幕13連敗よりも、1.5倍以上も長い。1988年のボルティモア・オリオールズは、開幕から21試合続けて黒星を喫した。4月4日に開幕を迎え、シーズン初白星を挙げたのは、25日後の4月29日だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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