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適応障害になりやすいのはどんな人?セルフマネジメントと「転機」のとらえ方について解説

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

進学、独立、結婚など重大な生活上の変化に適応できず、勉強や仕事などが続けられなくなる病の一つに「適応障害」があります。

適応障害は環境が変わるような出来事の後で発症することが多く、気分の落ち込みや不安感、焦りなどの強い苦しみが伴います。

発症していても表面上は変わらないこともあるため、周囲からは分からないこともあり、患っている本人は非常に苦しい状態が続きます。

そのまま放置していると、うつ病などを併発してしまう恐れもあるため、心身の不調に気づいたらすぐに医療機関を受診することが大切です。

そこで今回は「適応障害」について、セルフマネジメントの方法と「転機」のとらえ方について考えたいと思います。

適応障害はどんな人が患いやすい?

適応障害はどの年齢であっても発症する可能性があり、男女差は特にないと言われています。

ストレスに弱く傷つきやすい人はなりやすいとされており、幼少期の環境や考え方、身体的な疾患も適応障害を起こしやすくすると考えられています。

しかし、ストレスをあまり溜め込まない人であっても、その時の感じ方やとらえ方、体調などにより簡単に適応障害を発症してしまう場合もあります。

自分が違和感を抱いたり、イヤなことをし続けたりしていると、体もだるく心も元気がなくなってしまいますよね。

元気がなくなった時点で、ストレスを感じているということだと思うので、とらえ方を変えたり、やらなくても良い方法を考えたりして、自分の気持ちを変えることを考えてみると良いかもしれません。

ストレスのセルフマネジメントとは?

適応障害は悪い環境の変化でも、良い環境の変化であっても発症することがあります。

誰でも自分の境遇が変わることにある程度のストレスは感じるものです。

自分のサインを自覚し、発信されたサインを見逃すことなく受け止め、対応する力を身につけることで、適度なストレスにとどめておくことができます。

そのためには、ストレスに対するセルフマネジメントをすることが大切です。

マネジメントの方法についていくつか紹介したいと思います。

・楽しみなことを想像して、明るい気分になる

・趣味などにより気分転換を図る

・自分で解決できない問題が出てきたら、周囲に相談する

・知識を身に付けて不安を克服する

・ストレスに対して話を聞いてもらう

いかがでしょうか?

ストレスは抱え込むと、本格的なメンタル不調になってしまいます。

逆にストレスが全くなくても、マンネリ感やチャレンジ精神の低下、自己肯定感の低下といった不調におちいることもあるため、適度なストレスは必要だと言えます。

「転機」の定義ととらえ方とは?

転機には2つの部分があると言われています。

「ある出来事が起こること(イベント)」または「予期していたことが起こらないこと(ノンイベント)」と「その結果としての人生の変化」です。

イベントとは「大学を卒業する」「子どもが生まれる」「結婚/離婚する」など出来事が起こることです。

ノンイベントとは起こることを期待していたことが起こらなかった場合を言います。

たとえば、「志望校に入れなかった」「昇進できなかった」「結婚できなかった」などです。

出来事が起こっても起こらなくても、それが結果的に変化をもたらせば、その人に転機が起きたことになります。

転機は通常、次のような変化を伴うことがあります。

  • 役割
  • 関係
  • 日常生活
  • 自分自身に対する見方

順番に見ていきましょう。

役割

人生の役割の内、どれかがなくなるか、または大きく変化することになります。

たとえば、子どもが生まれると親としての役割が加わります。

また、仕事を辞めると会社員という役割はなくなります。

関係

大切な人との関係が強まったり、薄れたりすることがあります。

転機があると人脈が変わると言っても過言ではないでしょう。

日常生活

生活面での変化を伴います。

行動パターンが変化することもあります。

自分自身に対する見方

自分自身に対してのとらえ方が変化します。

自分の価値観や考え方、大切にしている自己概念が影響を受けることも。

転機は、プラスの効果を持つ場合も、マイナスに働く場合もありますが、転機を避けることはできません。

大切なことは転機によるマイナスの影響を最小限に抑えられるように、感情的にならず論理的に対処することが必要になります。

一人で対処が難しい場合には、家族や友人、もしくはカウンセラーに相談すると冷静な判断ができるようになるかもしれません。

まとめ

今回は「適応障害」についてのセルフマネジメントと「転機」のとらえ方について解説してみました。

先述しましたが、慣れた環境が変わってしまうことは、誰でも負担がかかることです。

今回紹介した内容をもとに、ストレスを溜め込まない方法を自分なりに考えてみてくださいね。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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