非常時に役立つ「ローリングストック」。普段から備蓄を消費しながら、定期的に補充することで、常に賞味期限内の食料や日用品を手元に置いておくことができます。この手法は、防災対策として注目されており、特に地震や台風などの自然災害時に大いに役立ちます。今回は、アウトドアのプロであり、日常的に自然と向き合う筆者が、その具体的なやり方をわかりやすく解説します。

ローリングストックとは

まず、ローリングストックの基本概念を説明します。ローリングストックとは、備蓄品を単に保存するだけでなく、日常的に消費しながら定期的に補充することで、常に新しい状態を保つ手法です。災害時には、期限切れや品質の劣化した食料や日用品ではなく、きちんと食べられて使いやすいものを確保する事が重要。

賞味期限や消費期限を迎えそうなものがあれば日常生活で使用し、使用した分はすぐに備蓄する。このサイクルが確立されていれば、いざという時に使用できないという事が避けられます。

ローリングストックの実践方法

生活にキャンプが組み込まれている方は、比較的ローリングストックを取り入れやすいですが、用途をイメージしていればキャンプも関係なくうまくサイクルを回すことが可能です。

まずは、備蓄するアイテムをチェックしておきましょう。

この中にあるすべての物をローリングストックしようと思うと大変なので、まずは自分が日常生活で使えそうなものからイメージしていけると良いですね。

ローリングストックをする際に絶対にやって欲しいのが、リストを作って目につくところに置いておくという点。私なんかは特に忘れっぽいので、それぞれの賞味期限を把握しておくことはおろか、リスト化してもそのリストをどこに置いたか分からなくなってしまうのは必然。

冷蔵庫にどんな備蓄がいつまでの期限なのかを貼っておけば、いやでも目に付くので使用するタイミングを逃しません。他にもGoogleなどのタスク管理アプリに登録して期限より前に通知が来るようにしておいても良いですね。ただし、スマホを活用する場合は通信インフラが断絶された時に見れなくなるのでご注意を。

備蓄すべきアイテムとその選び方

ローリングストックの要は、適したアイテム選びにこそあるといっても過言ではありません。食料品では、保存期間が長く、栄養価が高いものを選びたい所ですが、出来ればそれに加えて「美味しく消費できる物」が好ましいですね。缶詰やフリーズドライ食品は技術の進歩で非常に美味しかったりしますし、精神の安定を図るための防災用お菓子も美味しい物が出てきています。味が良ければキャンプでも日常生活でも使いやすいので重宝しますね。

また、日用品としては、トイレットペーパーやウェットティッシュ、消毒液など、非常時に欠かせないアイテムを切らさないことが重要です。ウェットティッシュは防災バッグに入れておいても、いざという時に乾いていて使えなかったりするので、これも日常的に使う物と共用でいいでしょう。

ローリングストックを続けるためのコツと注意点

ローリングストックを継続するためには、いくつかのコツがあります。まず、定期的なチェックというのは必要不可欠です。リスト化すればある程度は管理しやすいですが、たまには備蓄品の消費期限や状態を自分の目で確認しておきたい所です。

また、季節や家族構成の変化に応じて、必要なアイテムを見直すことも重要です。例えば、冬場には防寒具やカイロ、夏場には虫除けや日焼け止めを追加するなど、状況に応じた備蓄が求められます。

普段からキャンプをする方は、自分がキャンプに行く時に持って行くものをイメージすると良いでしょう。予期せぬサバイバルを迎えた時に、少しでも快適に避難生活を送れるように心がけたいものです。

まとめ

非常時に備えるための「ローリングストック」は、単なる備蓄ではなく、消費と補充を繰り返すことで常に良好な状態を保つことがポイントです。みなさんも日常生活に取り入れ、災害に備えた準備を進めてみてください。