ディーゼル車31%、全体の交通量は10%減少、オスロの車一時禁止は効果あり?
ノルウェー首都で大気汚染が悪化する日が続いており、オスロ市は17日6~22時まで、ディーゼル車を一時禁止する緊急条例を初適用した。
ノルウェー国営放送局やアフテンポステン全国紙は、当日朝10時までに観測されたディーゼル車数は、通常よりも2万台少ないと発表(オスロと隣県アーケシュフースが所有する有料道路管理社調べ)。禁止対象だったディーゼル車は、31%減少したことになる。
一方で、ディーゼル以外の「ガソリン、ハイブリッド、電気自動車数」は15%増加してしまう。結果、動力に関係なく、全体の交通量は10%の減少に留まっている。
オスロでは、市民の呼吸困難の最大原因が二酸化窒素であり、大きな排出原因はディーゼル車とされている。
混雑と混乱が予想されていた公共交通機関だったが、朝のラッシュアワーには大きな影響はなく、延滞も少なめ。公共交通機関Ruterは、「ラッシュアワーを避けた時間に移動するように」という事前の案内を、市民がしっかり守ってくれたお陰かもしれないとプレスリリースで発表。
今回の条例適用には、車の利用者からの反発も大きい。環境対策として、そもそも効果があるのかということが注目されており、他国でも報道されている。
通常であれば朝のラッシュアワー8時は、大気汚染状態が悪化し、注意警報カラーである「赤色」となるが、この時間帯は汚染度が低い「緑色」が目立った。ノルウェー大気研究室の広報は、VG紙に、「禁止条例には効果がある」とコメント。緑色となった別の理由として、この日は雪が降ったことも挙げられている。
この日の夕方のラッシュアワー16時に、大気汚染状態が何色になるかに注目が集まっている。
同研究室によると、一般人が運転するディーゼル車からの排ガスは、およそ20%ほどで、50~60%は重量車やバスが排出源。また、今回の禁止範囲は、国道を除いた自治体道路のみ。ディーゼル車でも走行が許可される例外が非常に多く、「今回の禁止は、まだまだ甘すぎる」という声もあった。
ディーゼル車を運転した場合は、1500ノルウェークローネ(約2万円)の罰金が課せられる。公共道路庁と、オスロ市の都市環境局は交通規制を行っている。この日は初適用で初日であることから、違反した多くの運転手には口頭で注意し、正しい情報を伝えることに重点が置かれている。
現時点でオスロ市は規制解除の知らせは出しておらず、翌日も続く可能性がある。
Photo&Text: Asaki Abumi