仏・ボルドーやシャンパーニュで「ひょう」の被害 ワインの生産に大打撃
今春、フランスは度重なる雷雨に見舞われています。
フランス気象局によると、5月の落雷回数は推定で18万回以上に及び、これまでの5月の記録の2倍以上だったとのことです。また昨日(12日)はパリ近郊で、大雨による土砂崩れが原因で電車が脱線し、4人が負傷をしたと伝えられています。
この悪天の影響は、ワイン業界にも暗い影を落としています。
被害まとめ
4月と5月に起きた度重なる雹の影響で、ブドウに深刻な被害が発生しています。これまでに伝えられている被害は下記のとおりです。
*シャンパーニュ地方*
被害面積:1,800ヘクタール、うち1,000ヘクタール(同地方のワイン農園全体の3%)は壊滅状態。Telegraphによると、この被害はワインボトル800万本に相当し、額にすると1億2500万ユーロの損失になるという。
*ボルドー地方*
被害面積:7,100ヘクタール(全体の5%)
*コニャック地方*
被害面積:10,000ヘクタール(全体の15%)
↑5月26日にボルドー地方に降った大粒の雹
2年連続の被害
こうした悪天による被害は、昨年に続き2年目のことです。
2017年4月には連日気温が氷点下に下がり、霜やブドウの木々が凍結するなどの事態が発生しました。さらに7月の雹の被害も加わって、フランス全体におけるワイン用ブドウの生産量は1945年以来最悪だったともいわれています。
こうした状況に、ボルドー・グラン・ヴァン連盟の会長は「保険に入ってない限り、ブドウ農家は経済的に深刻な打撃を受けるだろう。またいくつかの農家は農園を売り払わざるを得なくなるかもしれない」と述べ、危機感をつのらせています。