迷走台風6号の他、気になる熱帯擾乱が次々と発生中
台風6号は再度Uターンするように九州の西を北上か?
東シナ海でUターンし、奄美地方をゆっくりと通過した台風6号は、奄美大島の東海上をゆっくりと東へ進んでいます。今後の進路ですが、予報円が新しくなるたびに、西寄りの進路を取るようになっており、きょう6日(日)午後3時現在の予報円では、あす7日(月)以降、今度は一転、北上をはじめ、予報円の真ん中を進むと、9日(水)頃に九州の西海上をゆっくりと北上する予想です。
一時は九州南部に上陸する可能性が高まった予報円でしたが、最新の予報円では九州南部に上陸する可能性は小さくなっており、九州の西海上から朝鮮半島を指向するようなコースに変わりつつあります。
ただ引き続き、九州の西を通過するまでは時速10キロ程度のノロノロ北上となるため、沖縄本島や奄美地方では長時間の大荒れが続くほか、九州や四国の南東に向いた斜面を中心に記録的な大雨となるおそれがあり、大雨、暴風、高波、高潮に厳重な警戒が必要です。(気象庁の気象情報)
なぜ西へ西へ?
台風6号の予報円が時間を追うごとに西へ西へ変わってきています。これは上図のように北日本の東海上から張り出す太平洋高気圧の勢力が強まる予想に変わってきているためで、この太平洋高気圧に押されるように九州の西海上を北上する予想に変わってきています。
もともと中国大陸へ向かうとみられた台風6号が東シナ海でUターンしたのは予想よりも太平洋高気圧が弱まったためですが、今度は予想よりも太平洋高気圧が強まる予想のために、九州の西海上へ再びUターンするように北上する予想となってきています。
次の台風が北上も?
ところで、タイトル画像をみると、台風6号の他、小笠原の東海上には新たな熱帯低気圧が、さらにその南には低圧部が発生しています。当面気になるのは、小笠原の東に発生している熱帯低気圧です。日本や諸外国の計算をみると、この熱帯低気圧は今後、台風へ発達を見込む計算が増えてきています。
参考までにECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の最新の計算が上図で、熱帯低気圧は台風とみられる勢力に発達しつつ、週末にかけて、小笠原から関東の南を指向するような計算となっています。
ただ種々の計算をみると勢力やコースはまだかなり不確実性が大きく、台風とならない計算もある他、逆にかなり発達して、関東などへ近づくコースを予想する計算も散見されます。さらに熱帯低気圧の南に発生している低圧部と一体化するように新たな台風となって、日本の南へ進むような計算もあります。
当面、南西諸島や西日本では速度の上がらない台風6号に厳重な警戒が必要ですが、この台風6号の東側や南側に発生している熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の動向からも目が離せない状況です。