リーガ、再開に向けた動きが本格化。フットボールの「新たな日常」へ。
スペインに、フットボールが戻ってくる。
リーガエスパニョーラが再開に向けて本格的に動き始めた。スペインのペドロ・サンチェス首相は5月23日に「スポーツ評議会(CSD)の保証があり、6月8日以降のプロサッカーの再開にゴーサインを出す」と語った。
■ラ・リーガとフットボール連盟の決断
スペインで非常事態宣言が出されたのは3月14日だ。日本とは異なり、法的な強制力をもつ宣言下で外出は禁止に。違反者には処罰や罰金が科される厳戒態勢で、新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めをかけようと試みた。
だが結果として、スペイン政府は国内の感染拡大を食い止められなかった。4月20日には、新型コロナによる感染者の累計が20万人を超えた。米国に続いて感染者20万人超の国になってしまった。
そんな中、リーガは早い段階で無期限の延期を発表した。常日頃から確執が噂されているラ・リーガのハビエル・テバス会長とスペインフットボール連盟(RFEF)のルイス・ルビアレスが合意して、各々声明を発表した。
■再開の目処は6月12日
感染者が少しずつ減り、リーガの各クラブは5月6日から8日にかけてPCR検査を実施。レナン・ロディ(アトレティコ・マドリー)、アレックス・レミーロ(レアル・ソシエダ)、フアンミ(ベティス)、アルフォンソ・ペドラサ(ベティス)、ヤンヘル・エレーラ(グラナダ)と5選手に陽性反応が出た。
ただ、リーガの狙いは無症状の陽性反応者を知ることにあった。テバス会長としては、25名から30名に上る可能性を想定していた。最初のPCR検査は一定以上の成果を挙げたと言える。
「個人トレーニング」「グループトレーニング」「全体トレーニング」と段階を分けての練習再開においても、事は概ね順調に進んだ。そして、ペドロ・サンチェス首相と保健省から最終的にゴーサインが出た。
スペインで、フットボールはビッグビジネスである。そこでは、18万5000人の雇用を生み出されている。また、この段階でシーズンが終われば、およそ6億8000万ユーロ(約820億円)の損失があるといわれていた。
リーガは残り11試合で、無観客開催になる見込みである。再開は6月12日あるいは6月19日だろう。おそらく一発目はセビージャ対ベティスの一戦、アンダルシア・ダービー。5月28日にラ・リーガ、RFEF、CSD、AFE(選手協会)が会合を開く予定で、そこで何らかの決断が下されるはずだ。