トランプの日本向け公式CMがひどい→アーティストが勝手に作った非公式CMです
昨日の米大統領選でドナルド・トランプ候補が当選確実となったあと、「トランプの日本向け公式CMがひどい(すごい)」といった類のツイートがTwitterに出回り始めました。
結論から先にお伝えしますと、VFXアーティストのMike Diva氏が勝手に作った非公式CMです。つまりデマ。
最初に確認したツイートでは12,000RT以上、それらのパクリツイートも1,000RT以上拡散されており、訂正情報を残しておいた方が良いレベルだと思ったので今回この記事を書くことにしました。「これ公式らしいよ」が出回ると厄介なので。
トランプ非公式CM、どんな内容?
動画そのものはYouTubeにアップされています。驚いたことに4K映像まで用意されている充実っぷり。
時間のある方にはぜひ動画そのものを見て欲しいのですが、ない人のために名シーンをダイジェストでお伝えすると以下のような感じです。
トランプ氏に恋してる(?)女性が
魔法少女に変身してトランプ氏の映像が流れる街を飛び回ります。
さらにトランプ氏を称える軍事パレードが行われ
その奥にある建物内部ではトランプ氏がいろいろなパフォーマンスを披露。これはコマネチ。
最後にはトランプ氏がロボットとなり、
地球をぶっ壊して終了です。
ポップなBGMとこれらの映像が合わさり、「ねえねえ、これ見た?」的に拡散したくなる動画です。しかし、トランプ氏による日本向けCMではありません。非公式です。
事実確認が難しい直接投稿された動画
どうしてここまで間違った情報が広がってしまったのでしょうか?
動画が衝撃的、かつ今が旬の話題という理由が一番大きいと思われます。そのうえで、元のYouTubeの動画ではなくTwitterに動画を直接投稿したものである点も大きいでしょう。
なぜなら、そこから情報を追えないからです。
YouTubeのリンクであれば、Twitterのアプリ上でそのまま再生できつつも、YouTubeのページも閲覧することができます。そこでトランプ氏の公式チャンネルではないと分かれば、「事実と違うのでは?」と疑問に思うこともできます。
しかしTwitterに直接投稿された動画の場合、元の動画を確認するには動画内の情報を元に検索するといった手間がかかります。多くの人はわざわざそんな時間のかかることはしないでしょう。
Twitterにも自動的に著作物を判別するYouTubeのコンテンツIDのような機能があれば良いのですが、今のところ搭載されるという話は聞いたことがありません(そもそも異なるサービス間のため、YouTubeとTwitterの動画では一致しませんが……)。
コンテンツIDについての参考情報:ピコ太郎 関連動画で潤う(日本経済新聞)
動画が面白いため拡散したくなるのは分かりますが、できれば正しい情報で拡散しましょう。その方がトランプ氏の日本に対しての印象もちょっとはよくなる……かも?