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X代替SNS『Bluesky』が「コンテンツをAI学習に利用しない」と発表。しかし一方で誤解も……

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
Bluesky。公式サイトより

 X(旧Twitter)が11月15日にサービス利用規約を改訂したことを受けてか、Blueskyが16日にユーザーが投稿したコンテンツをAI学習に利用しないと発表しました。

XのAI学習の明確化を受けて移住が進むBluesky

 11月15日、Xがサービス利用規約にポストをAI学習(トレーニング)に利用すること、また、第三者への提供を行う可能性があることを明記しました。

 この発表を受けて、AI学習に反対するユーザーが同じようなシステムのSNSであるBlueskyへの移住を開始しました。

 こうした動きを受けてか、Blueskyは11月16日、同サービスではユーザーが投稿したコンテンツをAI学習に利用しないこと、そして今後も行う方針にないことを発表しました。

 投稿した文章や画像をAIに学習して欲しくない人にとっては、嬉しい発表だと言えるでしょう。

 しかし、一方でこの発表から「BlueskyならAIに学習されない」という誤解も生まれてしまっているように見受けられます。

Blueskyは学習しないが、外部からは学習し放題

 今回の発表はあくまで“Blueskyが投稿内容をAIで学習しない”というものであり、外部ユーザーからのAI学習を防ぐものではありません。

 実際、Bluesky公式サイトの設定を確認すると、APIによる投稿内容のクローリングを認めています。クローリングとは、APIを利用して機械的に投稿内容や画像を収集することです。

Blueskyのrobots.txt。「全員にAPIを利用しての一括クロールや自動クロールを許可します」といった意味合いのことが書かれています。筆者キャプチャ
Blueskyのrobots.txt。「全員にAPIを利用しての一括クロールや自動クロールを許可します」といった意味合いのことが書かれています。筆者キャプチャ

 つまり生成AI開発者は、Blueskyに投稿された文章や画像を学習することが簡単にできてしまうのです。

 一方でXはAPIに高額な利用料金を設定していることから、一般的な生成AI開発者が投稿内容や画像を学習することはコスト的に難しくなっています。

 また、先日の記事でも紹介した通り、XにはGrokやxAIによるトレーニング・学習を拒否するオプトアウト機能が搭載されているため、こちらを利用すればAI学習を防ぎやすいのはBlueskyよりもXだと言えます。

AI学習禁止は運営に任せず自主対応を

 もちろんAI開発を推進しているXの考えに賛同できず、その利用を止めるために移住する人もいると思います。

 この記事はそうした人の移住を引き止めるものではなく、Blueskyに移行すればAI学習されないという誤解を減らすために執筆しています。

 結局のところXであろうがBlueskyであろうが、インターネットに作品を公開した以上はAI学習に利用される可能性があります。自分の作品をAI学習から守りたい人は、ウォーターマークを入れて学習を阻害する方法を取る方が良いと思われます(あくまでも阻害できるだけであって、学習を拒否できるものではありません。念のため)。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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