ノート(39) 徹底抗戦を宣言する元特捜部長らと検察ストーリーの存在
~解脱編(11)
勾留13日目(続)
ダダ漏れ、相変わらず
勾留後初となる面会や弁護人との接見を終え、自殺防止房に戻ると、ちょうど昼食の時間となっていた。いつもどおり朝方に放送されたNHKラジオのニュース録音が流されたが、この日は休日明けということもあり、証拠改ざん・犯人隠避事件に関する報道が大々的に行われていた。
まず、改ざんに至った経緯や動機に関し、僕が最高検の取調べでサインをした供述調書の内容が、「検察関係者」から得た情報として、実に詳しく報じられていた。
経緯に関しては2日前の土曜日に、動機に関しては前日の日曜日に、それぞれ完成版の供述調書ができあがり、サインをしたばかりだった。土日は弁護人との接見がなく、僕がその記載内容などを弁護人に報告したのは、月曜日であるこの日の午前中に行われた接見が初めてだった。
当然ながら朝方のNHKラジオニュースよりも後であり、今回もそれらの情報を漏らしたのが僕の弁護人でないことは火を見るより明らかだった。
――結局のところ、極秘の捜査情報を流し、メディアを意のままにコントロールしようとする検察の体質は、未来永劫、変わらないんだろうな。
暗澹(あんたん)たる思いだったが、それでも、報道された供述調書の内容が比較的正確なものだったので、ガセネタを流されて誤報された時のような怒りまでは感じなかった。
弁護人が記者対応?!
NHKニュースでは、大坪さんや佐賀さんらの供述内容も併せて報じられていた。彼らの弁護人が取材に応じており、それによると、彼らは接見の中で僕から意図的な改ざんだとは聞いていないと述べている、とのことだった。
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