ノート(41) 量産される供述調書と厚労省事件の弁護活動をめぐる諸問題
~解脱編(13)
勾留13日目(続)
予定主張記載書面
この日の中村孝検事の取調べは、午後3時前ころから午後10時前ころまでの間、夕食を挟んで6時間近く行われた。
自白調書の作成とサインという作業は、一見すると実に地味なものだ。しかし、被疑者がいくら取調べ室で様々な話しをしていても、供述調書という形でまとめられ、そのサインを得ていなければ、将来の公判で使える「証拠」にはならず、取調べ官も神経を使う。
被疑者も、いったん供述調書にサインしてしまうと、有利不利を問わず、裁判で「証拠」として使われる展開になるので、表現の一字一句から取調べ官の狙いを読み取るなど、細心の注意を払わなければならない。
この日は、まず3通の供述調書にサインをした。1通目は改ざんの状況、2通目は取調べの中で行った改ざんの再現状況、3通目は僕が2009年7月に國井君に改ざんを告白した状況に関するものだった。
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