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新人王は大谷翔平ではなくヤンキースのアンドゥーハー!? これまで25本塁打&65長打は100%受賞

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・アンドゥーハー(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 15, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまでの例からすると、今シーズンのア・リーグ新人王は、ミゲル・アンドゥーハー(ニューヨーク・ヤンキース)が手にする。

 9月19日、アンドゥーハーがシーズン25本目のホームランを打った直後、MLBスタット・オブ・ザ・デイはこうツイートした。「1940年以降に25本塁打&65長打を記録したルーキーは@MAndujarPapaが17人目…過去の16人はいずれも新人王を受賞している」

 前日の時点で、アンドゥーハーの長打は66本(二塁打40本、三塁打2本、24本塁打)。この日はホームランに加え、二塁打も打った。

 65長打のハードルは、25本塁打よりも高い。例えば、昨シーズンの25本塁打以上は74人、65長打以上は33人だった。そのなかに、ルーキーはそれぞれ6人と2人。新人王は、52本塁打&79長打のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と39本塁打&69長打のコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)が受賞した。

 今シーズンのルーキーでは、ダニエル・パルカ(シカゴ・ホワイトソックス)とロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が、アンドゥーハーより1本多くホームランを打っているが、60長打以上はアンドゥーハーだけだ。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は20本塁打&42長打。25本塁打の可能性はあるものの、長打は60本に届かないだろう。

 これまでに25本塁打&65長打を記録したルーキーは、16人とも新人王に選ばれ、そのうち10人は、記者全員から1位票を投じられる「満票」で受賞した。1987年のマーク・マグワイア以降に限れば、「満票」は10人中9人に上る。そこには、エンジェルスが輩出した2人の新人王、ティム・サーモン(1993年)とマイク・トラウト(2012年)もいる。

筆者作成
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 もっとも、アンドゥーハーが新人王に選ばれるとしても、「満票」ということはないだろう。むしろ、2007年のライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ)のように、僅差になると思われる。ブラウンは記者17人から1位票を得て、他の順位票も含めた合計ポイントは128。それに対し、2位のトロイ・トゥロウィツキ(当時コロラド・ロッキーズ/現トロント・ブルージェイズ)は、それぞれ15票と126ポイントだった。トゥロウィツキは2ポイント差で受賞を逃したが、今年の場合、大谷がアンドゥーハーを上回り、球団史上3人目の新人王となってもおかしくない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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