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「ウクライナ軍の神風ドローン」VS「ロシア軍のヘリコプター」ロシア軍のヘリ逃走のレア動画公開

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

ヘリコプター破壊はまだ316機。神風ドローンでの上空からのヘリコプター攻撃はレア

2023年9月にウクライナ軍のFPV神風ドローンがロシア軍の軍事ヘリコプター「Ka-52」に向かって突っ込んでいこうとしたが、ヘリコプターの方が速度が速くて突っ込んでいくことはできなかった動画を公開していた。FPV(ファースト・パーソン・ビュー)で撮影されていた。FPVはドローンに搭載されたカメラからの風景が操縦者に見えるが、ヘリコプターが神風ドローンに気が付いて逃走しているシーンも映っている。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。そして両軍でドローンの撃墜が繰り返されている。

ウクライナ軍では監視・偵察目的で導入した民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載してロシア軍の上空から落下させてダメージを与えている。小型民生品ドローンに爆弾を搭載して標的に突っ込んでいく、いわゆる神風ドローンによる攻撃もよく行われている。多くは地上の戦車や塹壕などの軍事施設に突っ込んでいくことが多い。ヘリコプターの方が速度が速いので逃走されてしまったが、上空でヘリコプターに突っ込んでいこうとするシーンは珍しい。

ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。2023年9月10日までに戦車は4500台以上、歩兵戦闘車は8700台以上、大砲は5800門以上を破壊している。これらの軍事施設の多くは上空からドローンで爆弾を投下したり、神風ドローンが突っ込んでいたりして破壊していることが多い。だがロシア軍のヘリコプターが破壊された数はまだ316機で他の軍事設備に比べると少ない。ヘリコプターのほとんどは地対空ミサイルで破壊されており、神風ドローンに突っ込まれて上空で破壊されることはほとんどない。

2023年9月にはウクライナ軍の情報機関が、ロシア軍の軍事ヘリコプター2機と航空機がウクライナ軍のドローンを攻撃しようとしていたが撃墜できなかった動画を公開していた。

▼神風ドローンでロシア軍の軍事ヘリコプターに突っ込もうとしたが逃げられた

▼ロシア軍の2機のヘリコプター、航空機がウクライナ軍のドローンを攻撃しようとするが失敗

▼ウクライナ軍の公式SNSで発表しているロシア軍の軍事施設の破壊状況

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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