受け継がれる最中「三十五万石」に詰まったあんこと求肥、そして栗。特に大粒栗とあんこの相性は抜群です!
普段自身で召し上がらずとも、昔からお土産として人気の和菓子が身近にあった、もしくは今もあるという方も多いのではないでしょうか。
その中でも印象的かつ見かけたことがあるというシリーズに「石高」を菓銘に取り込んだ御菓子があるかと思います。かつてお城があった場所に多く見受けられますが、いわゆるその土地の経済力やどれ程の影響力をもっていたかという目安となる石高。
ゆるキャラ、ひこにゃんでもお馴染みの滋賀県彦根市。「金亀城」という異名を持ち、その天守閣は国宝にも指定されるほどの美しさを湛える彦根城。その功績を令和の世まで伝える和菓子「菓心おおすが」さんの「三十五万石」をご紹介。
和洋菓子双方を取り入れたご自身のブランドを確立なさりながらも、長年愛されてきた三十五万石は作り続けたいと当代の三代目ご主人。俵を縛る縄目もしっかりと再現されているところもまたリアリティがありますね。
三十五万石は求肥入りと栗入りの二種類。そのままでは見分けがつきませんが、パッケージに記載があるのでご安心を。
サイズ感は一般的な最中と類似していますが、若干ふっくらとしているのも特徴の一つ。最中種の香ばしさに負けない、小豆のほくほくとした食感もしっかりと堪能できるような、それでいて滑らかな舌触りも味わえる粒餡がたっぷり。求肥はもちもちとした弾力、というよりは、あんことよく馴染むとろりとした一体感を楽しむようなタイプ。
そしてもうひとつは、立派な一粒栗入り!堂々とした佇まいの栗の甘露煮は芯まで蜜が染みており、食感は柔らかくとも栗特有の仄かに木のような香りがそっと鼻腔を刺激します。
菓心おおすがさんでは洋菓子の要素を盛り込んだお洒落な御菓子も沢山販売されていますが、やはりクラシカルかつあんこの美味しさを素直に堪能できる郷土の和菓子も外せませんね。
ちなみに私の地元、青森県では和菓子ではありませんが石高がつけられたお土産にぴったりなおつまみもあります。石高シリーズ、一度探しはじめるとなかなか興味深いものが沢山あるので、食欲の秋に向けてリサーチするのもありかも?
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<菓心おおすが>
公式サイト(外部リンク)
滋賀県彦根市中央町4-39
0749-22-5722
8時~18時
定休日 木曜