エンジェルスがOPSワースト1位の遊撃手に興味。遊撃にはネトがいるのに!?
ロサンゼルス・エンジェルスは、FAのティム・アンダーソンに目をつけているようだ。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、「強い興味」を抱いているという。
アンダーソンは、30歳の遊撃手だ。来年の6月下旬に31歳となる。これまでは、シカゴ・ホワイトソックスでプレーしてきた。
2013年のドラフトで全体17位指名を受け、2016年にメジャーデビュー。翌年の開幕前に6年2500万ドル(2017~22年)の延長契約を交わした、交わした。2019年に首位打者を獲得し、この年から2021年まで、3シーズン続けてOPS.800以上を記録した。
ここ2シーズンは、2022年が79試合でOPS.734、2023年は123試合でOPS.582。今シーズンのOPSは、500打席以上の136人のなかで最も低かった。昨オフ、ホワイトソックスは1250万ドルの球団オプションを行使したが、今オフは1400万ドルの球団オプションを破棄した。
実績と年齢からすれば、復活を遂げてもおかしくない。だが、エンジェルスの遊撃には、4月中旬にデビューしたザック・ネトがいる。今シーズンは、84試合でOPS.685。決していい数値ではないとはいえ、アンダーソンと比べると、100ポイント以上も高い(.001=1ポイントとして表記)。ホームランは、アンダーソンが1本、ネトは9本だ。
しかも、ネトは、メジャーリーグ1年目だった。伸びしろも期待できる。こちらは、昨年のドラフト全体13位だ。
エンジェルスは、アンダーソンを二塁に据え、ネトと併殺デュオを組ませることを考えているのではないだろうか。アンダーソンは、マイナーリーグでもメジャーリーグでも遊撃を守ってきたが、今シーズンは、6月に2試合だけ、二塁手として出場している。
この場合、ブランドン・ドゥルーリーは一塁、ルイス・レンヒーフォは三塁がメインとなるだろう。一塁と三塁には、それぞれ、ノーラン・シャヌエルとアンソニー・レンドーンがいるが、2人とも、シーズンを通してレギュラーを務められるかどうかには疑問符がつく。その理由については、「エンジェルスがFAの三塁手に興味を抱いているのは、あのレンドーンに見切りをつけたから!?」で書いた。
アンダーソンがエンジェルスに入団しても、来シーズン、エンジェルスが低迷し、アンダーソンがかつての姿を取り戻せば、夏のトレードも大いにあり得る。もしかすると、エンジェルスは、そこまで想定しているのかもしれない。不振のアンダーソンを安く手に入れ、復活してトレード・バリューが上がったところで放出し、見返りに若手を得る、というシナリオだ。少なくとも、アンダーソンを加え、10年ぶりのポストシーズン進出をめざすシナリオよりは、現実味があるように思える。