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ダイヤモンドバックスのマスコットは、どうして蛇ではなく猫なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
D.バクスター・ザ・ボブキャット Jun 17, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アリゾナ・ダイヤモンドバックスのチーム名は、ヒガシダイヤガラガラヘビに由来する。この蛇には、ダイヤモンド形(菱形)の紋様がある。

 けれども、チーム・マスコットは蛇ではない。その風貌と「D.バクスター・ザ・ボブキャット」の名前からもわかるとおり、ボブキャット=山猫だ。

 ダイヤモンドバックスは、タンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)とともに、1998年に誕生した。当初、マスコットはいなかった。すべてのチームに、マスコットがいるわけではない。

 ボブキャットのマスコットは、2000年のシーズン途中に登場した。ダイヤモンドバックスのホーム・ページによると、当時、ダイヤモンドバックスの二塁手だったジェイ・ベルの息子が「生みの親」だ。息子は父に、ダイヤモンドバックスはBOB(ボブ)でプレーしているんだからボブキャットをマスコットにしなきゃ、と言ったという。

 ダイヤモンドバックスの本拠地であるチェイス・フィールドは、2005年までバンク・ワン・ボールパークという名前だった。それを略して「BOB」と呼ばれていた。

 球場の名称変更により、マスコットが生まれた経緯――というほど大袈裟なものではないが――がわかりにくくなったというわけだ。

 D.バクスターは、Dバックスに引っかけてあるのだろう。

 なお、ダイヤモンドバックスの選手がチェイス・フィールドでプレーし、マスコットが彼らを応援する次の試合は、来シーズンになるかもしれない。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第7戦は、フィラデルフィア・フィリーズの本拠地、シチズンズ・バンク・パークで行われる。

 ダイヤモンドバックスがこの試合に勝つと、ワールドシリーズの第3戦から第5戦まで――第5戦はない可能性もあり――は、チェイス・フィールドが舞台となる。

 ワールドシリーズのホーム・フィールド・アドバンテージについては、こちらで書いた。

「ポストシーズンのベスト4がすべて「90勝以下」は史上初。3チームが90勝で並び、Dバックスは84勝」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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