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自分好みのお茶に出会えるお店が山梨に!勝沼のワイナリーにある「煎茶専門店io」

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター
山梨の勝沼にある煎茶の専門店「io(イオ)」さん

お茶には興味があるけれど何が自分に合っているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

お店で試飲できたら一番いいのですが、産地やお店ごとに特徴が違い、いろいろ比べてみたいけれど全部比べるのは種類が多くて・・・。

そんなお茶ジプシーの方におすすめのお店が山梨にあります。

山梨の勝沼ワイン村にある「煎茶専門店io」さんは、全国の茶産地の生産者や茶商からセレクトした茶葉を扱い、一人一人の好みや生活スタイルに合う茶葉や淹れ方を提案してくれるコンシェルジュのようなお店なのです。

現在は山梨を拠点に長野県や新潟県、都内のイベントにも出張出店されています。

今回は「io」の店主の中村仁(やすし)さんにお話を伺いました!

山梨でお気に入りのお茶を探すなら

日本で一番よく飲まれているお茶は「煎茶」です。

その煎茶、産地は日本全国にたくさんあり、生産者や茶商によってもそれぞれ特徴が違っています。

たくさんの選択肢から選ぶのも難しいと思われがちな煎茶ですが、専門店に行けば気軽に相談したり試飲したりしてお気に入りを見つけることもできます。

山梨の勝沼にお店があり、長野県や新潟県などへも出張しお茶とのおいしい出会いを提供しているのが「煎茶専門店io」さん。

インスタでお見かけし、いろいろお話を伺い都内のイベントに出られると知り、昨年秋に伺いました。

「煎茶専門店io」の店主、中村仁(やすし)さん。都内のイベント出店時の写真。
「煎茶専門店io」の店主、中村仁(やすし)さん。都内のイベント出店時の写真。

この日はイベントのため数が限られていますが、とのことでしたが、それでも10種類以上の煎茶が揃っていました。

好みを聞いて下さりいくつか提案していただいたものを飲み比べました。

イベント出店の際は急須を使わずに一煎だけお茶をいれることも多いそうで、耐熱ガラスの小さめのピッチャーなどを使っているそう。

一煎だけいれるため茶こしで茶葉をキャッチしてお茶をいれます。

淹れたての茶葉からも香りが漂ってきます。

鹿児島知覧の宮原光製茶さんの深蒸し煎茶「ごくごく知覧」はioオリジナルのブレンドだそう
鹿児島知覧の宮原光製茶さんの深蒸し煎茶「ごくごく知覧」はioオリジナルのブレンドだそう

この日は鹿児島の深蒸し煎茶をいただきました。

鹿児島の深蒸し煎茶はうま味や甘味がしっかりしたものが多いのですが、関東圏の人の好みに合わせたすっきりとした毎日飽きずに飲めるようなものをと特別に合組(ブレンド)して作ってもらっているのだとか。

そのとおりの軽く飲みやすいおいしいお茶でした。毎日の食事やお茶の時間に気軽に飲めそうです。

ioさんでは全国各地のお茶を季節に合わせつつ常時数十種類取り揃えているそうです。

まさにお茶のセレクトショップですね!

お茶へのこだわり

年に数回、生産者や茶商の元を訪れ、時には「こういうお茶を作ってほしい」とブレンドしてオリジナルを作ってもらうこともあるとか。

様々な産地の茶葉を試して、お客様に求められているもの、お客様に紹介したいものをセレクトしてお店に置いているそうです。

私が購入した茶葉。から宮崎県産オーガニック抹茶、静岡の川根産のGABA青茶(烏龍茶のような発酵茶)、鹿児島産ioオリジナルブレンドの「ごくごく知覧」※パッケージは2023年のもの
私が購入した茶葉。から宮崎県産オーガニック抹茶、静岡の川根産のGABA青茶(烏龍茶のような発酵茶)、鹿児島産ioオリジナルブレンドの「ごくごく知覧」※パッケージは2023年のもの

お店の名前「io」の由来

ioはイタリア語で「わたし」や「じぶん」などを表す一人称。

店主の中村さんにお店の名前をioとした理由を伺ってみました。

目の前のお客様ひとりひとりに真摯に向き合いその方の望む一煎を淹れることができているかと自分自身に問うために、がひとつ。
もうひとつ、「わたし」や「じぶん」を大切にして、リフレッシュする時間をあなたは選ぶことができるという「生活様式の一つ」としてお茶を淹れて飲むことを取り入れてほしいという願いを込めました。

ioさんは2021年6月に山梨県の勝沼にオープンし、ちょうど6月11日に3周年を迎えたばかり(おめでとうございます!)。

山梨の勝沼のワイナリーにあるioさんのお店「io勝沼BASE」の外観
山梨の勝沼のワイナリーにあるioさんのお店「io勝沼BASE」の外観

勝沼と言えば日本ワインの一大産地。

そんなワイナリーのたくさんある山梨の勝沼になぜ日本茶のお店を?

実はワイナリーという場所にはアルコールを召し上がらない方が訪れることも多く同行者がワインを楽しんでいる間に過ごす場所がないと嘆くお客様も多いんです。
そんな方々に「アルコールでなくても楽しめる日本の文化を気軽に楽しんでいただきたい」という理由がひとつ、そして都内では日本茶に関わる仕事をしていたが 30 代半ばで、それまで生まれ育った東京から環境を変えてみたくなったことと、山梨県の基幹産業の一つであるワイン作りにも「人々が口にするもの」という日本の食文化に関わる仕事なので興味を持っていました。そんな時にたまたまご縁をいただきぶどう栽培とワイナリーの仕事をすることに。

日本茶とワイン、同じ飲み物で嗜好品ですが、ここ10年くらいで日本茶もワインのようなテロワール(その土地の土壌・気候・地形)やシングルオリジン(単一農園単一品種)を楽しむという意識が広がってきました。

そこでワインの知識が役立つ場面はどんなところか伺いました。

ワインも日本茶も嗜好品ですので、例えばどんなテイストのワインがお好みなのかを伺うことで日本茶に当てはめて考えることができます。
そんな難しく考えずに「浅蒸しと深蒸しどちらが好きですか?」と聞いてもよくわからない、情報が多い割にわかる要素が少なすぎて、またお茶が身近にあり過ぎていて気にも留めていなかったりすると答えられなかったりするんです。
でもこれが面白いことに「ワイナリーABCDと4つありますが、どのワインがお好みですか?」って伺うと間髪入れずに「だったら〇〇さんのワインが好きかな~」って即答してくださるんですよね。
その後で、そのワイナリーさんのどれが好きですか?とかワインのほかに好んで飲まれるアルコールありますか?とか味噌と醤油どっち派ですかとか、要は嗜好品なので、ワインの場合も日本茶の場合も目の前のお客様がどういった嗜好を好んでいらっしゃるのか情報の欠片を集めています

目の前のお客様の嗜好をいろいろな質問をすることで探り、ぴったりのお茶をご提案する。

コンシェルジュのようにお店でのお客様との対話を大切にされているのですね。


山梨のお店「io勝沼BASE」は事前予約制

煎茶専門店ioさんはカフェではなく、お客様が自分にぴったりの茶葉を選ぶお手伝いをする場なのだそう。

勝沼にある「io勝沼BASE」はカウンターのみで椅子はなく(ちょっと体重を預けられる椅子は2脚あるそうですが)、事前予約制で1日1組、1~3名を想定し、お客様が満足されるまで楽しんでいただくスタイルなのだそう。

日本茶コンシェルジュとでも言いましょうか、常時数十種類の茶葉を扱うioさんだからできる提案スタイルですね。

海外から予約をしてから訪れる外国人のお客様もいらっしゃるそうです。

年間約10名ほどだそうですが、とても熱心に質問したりテイスティングして過ごす方が多いのだそうです。

山梨県内はもちろん都内や長野県などのイベントにも出店

ioさんは時々お店以外の場所にもポップアップ出店しています。

一人一人のお客様に向き合う姿勢、どういうものを求めているのかを判断しての茶葉の提案。

丁寧に対応してくださるので、沢山の選択肢がある中でも気に入ったものが見つかります。

イベントの場合は茶葉の種類は少な目だそうですが、それでもたくさんある中から選べました。

九州から山梨のお茶(南部茶)まで幅広いラインナップで、飲んだことのないものもあり、どれにしようかと考えるのも楽しいです。

ioさんからのメッセージ

最後に、今後の展望をコメントいただきました。

ioのお茶のファンになってくださる団体・個人さんを得られるようにと「出張お茶屋さん」としてお茶席(のみ比べ会・試飲販売会・イベント)出店などを積極的に行っています
基本的に外に出ていくスタイルで活動しているためio勝沼BASEにてお茶席を体験されたい場合は、instagramやLINE公式アカウントのDMよりメッセージにてご予約をお願いいたします。
お茶の楽しさ面白さ奥深さを未経験の方に実際に味わっていただきたいです。少しでも興味ある方はお問い合わせください。

今年度も様々な場所でお茶をいれているioさん。

イベント出店などの最新情報はioさんのインスタグラム(外部サイト)をチェックしてみてくださいね。

お茶に関するお問い合わせ、来訪予約はLINE公式アカウントより直接メッセージでお尋ねください、とのこと。

今まで知らなかったおいしいお茶に出会える、そんなお店です。

【io勝沼BASE】(事前予約制)
山梨県甲州市勝沼町勝沼2561-10
お問い合わせ・ご予約はお店のLINE公式アカウント(外部サイト)より

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。日本茶の商品開発やカフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導。NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。

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