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一生に一度は訪ねたい「昭和レトロな温泉街」4選(関西編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

昭和レトロがブームである。旅の目的地として、昭和の懐かしさを感じられる観光地を選ぶ人も多いという。

その点、古くから温泉が湧き続けている歴史ある温泉地には、現代の日本人が懐かしさを覚えるようなレトロな街並みや浴室が残る。そんな昭和レトロな温泉街は、浴衣と下駄でのそぞろ歩きが似合う。

そこで今回は、「昭和レトロ」の気分を存分に味わえる温泉街を関西エリアに絞って4カ所紹介したい。

湯の峰温泉(和歌山県)

開湯1800年、日本最古の湯としても知られる山あいの温泉地。古くから熊野詣の湯ごり場として知られ、世界遺産の中で唯一入浴できる温泉地でもある。足元湧出の共同浴場「つぼ湯」はぜひ入浴したい。自然と温泉以外はほぼ何もないが、熊野古道など歴史を存分に感じられるスポットで、レトロの雰囲気が好きな人には最高の環境といえる。小規模の宿が多く、静かな時間を過ごせるのが魅力だ。

有馬温泉(兵庫県)

関西が誇る名湯・有馬温泉は歴史が深いうえに、アクセスがよいので訪れる客も多い。日本三古湯のひとつに数えられ、『日本書紀』や『風土記』にも記述がみられる。豊臣秀吉が愛した湯としても語られる。細いつづれ折りの坂道が続く湯本坂は、レトロな雰囲気を残す石畳の通りで、浴衣姿での散策が絵になる。行基が建立した温泉寺や秀吉がつくった露天風呂などの遺構など、歴史を感じさせるスポットも多い。赤茶色の湯はパンチが効いた濃厚湯。各旅館のほか共同浴場「金の湯」で堪能できる。

城崎温泉(兵庫県)

関西を代表する温泉地。大谿川沿いの柳並木と木造の建物が風情をかもし出す。写真映えする、昭和レトロを感じさせるスポットも多い。街全体をひとつの旅館と見立て、浴衣と下駄で外湯をめぐるのが城崎温泉のスタイル。浴衣のまま個性豊かな7つの外湯を巡る人でにぎわう。飲食店やお土産さんなどが立ち並ぶので、気になるお店を覗きながら歩くのも楽しい。

湯村温泉(兵庫県)

兵庫県の日本海側に位置する山の温泉地。NHKドラマや映画『夢千代日記』の舞台として知られる。98度の源泉が湧き出す「荒湯」を中心に大小の旅館がひしめく。人気の温泉地であるが、城崎温泉よりも混雑は少なく、源泉の質も高い。荒湯を中心とした昔ながらの温泉街を浴衣と下駄で散策したくなる。湯の街の情緒を味わいたい人におすすめ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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