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【韓国独占取材】アン・シネ、“誤解”と“恋愛”と結婚”を赤裸々に語る。

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
アン・シネ(写真提供:KANG MYEONG HO)

膝上30センチのミニスカート姿と「神対応」と言わせるファンサービスで、日本のゴルファンたちの心を鷲掴みにしてしまったアン・シネ。新聞では“セクシークイーン”という代名詞とそのルックスが多く取り上げられており、出演したテレビ番組でもパーソナリティの一端を垣間見ることもできたことだろう。

以前はクールだったが最近は成熟キュート

これまで3回連続して紹介してきた韓国での独占インタビューでも、アン・シネの素顔や本音の一端を垣間見ることができたが、アン・シネは「私は“こういう人間です!!”と一言で定義づけするのは難しい」と笑う。

「韓国メディアからもよく、“自分を一言で表見すると?”というような質問を投げかけらますが、答えに困ってしまいます(笑)。一言では収まらないくらい、私が持っているキャラクターは多いですから(笑)。おそらく多くの人がそうじゃないですか? 自分のことや自分の人生を一言で圧縮して説明するのは難しい(笑)」

確かにその通りかもしれない。人にはさまざまな面があり、成長もする。アン・シネが韓国で注目され始めた頃と現在の彼女の姿を見比べても、今とは違う表情がある。

(参考記事:写真15連発!! ゴルフ界のセクシークイーン、アン・シネの魅力)

以前はちょっぴりツンとしたクール・ビューティーな一面ばかりが目立っていたが、最近は成熟さがありながらどこかチャーミングな雰囲気さえ漂わす。

それにアン・シネのような人気ゴルファーになると愛称や別名も多い。

日本では“セクシークイーン”という呼び名が定着しているが、韓国ポータルサイトで「アン・シネ」と検索すると、さまざまな関連ワードが浮かび上がってくる。

「HOT」「pictures」「bikini」など、ゴルフとはかけ離れた意外な アン・シネ関連ワードも出てくるほどだ。

そこでアン・シネに訊ねてみた。「日本の人たちに“実は私はこんな人間なんです”と紹介するとしたら、どうですか」と。少し考え込んだとで彼女が放ったのとこんな一言だった。

「そうですね……。“私は、ゴルフを愛するゴルファーです”ということです」

月並みで平凡な一言だったが、絞り出すように口にした言葉だからこそ聞き流すわけにはいけなかった。その真意を問うと、アン・シネは率直にこう言うのだ。

「いろいろ誤解されていることは知っています」

「認めたくはありませんが、私が醸し出すイメージのせいで、いろいろと誤解されていることは知っています。“実力を磨くよりも見た目を磨くことに気を払っている”とか、 “ゴルフを趣味程度でしか考えていない”とか……。

ただ、それが本当だとしたら、これまで20年近くゴルフを続けることができたでしょうか。

いろいろと誤解され陰口を叩かれ、辛くてすべてを放棄したいと思ったときもありましたが、それでも私が今もプロであり続けている理由は、ただひとつ。ゴルフというスポーツを心の底から愛しているからです。その愛があるから、今までやって来ることができた。私は、“ゴルフを愛するゴルファー”なんです」

そして、だからこそゴルフに感謝せずにはいられないという。

「私は私が愛するゴルフをしているだけなのに、多くの方々が私に注目してくれますし、声援を送ってくださるんですから。その声援や愛情は、私にとってはボーナスというか…・。プロゴルファーという職業を選んだことは、本当に幸運です(笑)」

両親にプレゼントしたいもの

―ならば、人間アン・シネがプロゴルファーのアン・シネに切り替わる瞬間はいつですか?

「切り替えスイッチのようなものはないですよ(笑)。24時間365日、私はずっとゴルフ・モードです。例えば食事のときは体調管理を意識した献立を口にしますし、普段の外出時に足を痛めてはいけないのでヒールが高いパンプスも履かない。友人からボウリングに行こうと誘われても、指を痛めてはならないで遠慮したり…。そういう日常生活はおそらく引退するまで続くのではないでしょうか。私はプロゴルファーとして生きているから」

一見すると女性らしいアン・シネだが、ゴルフのためなら変化も厭わないという。「女性らしさや美意識へのこだわり」を持つ彼女が、オフの間ひたらす筋力トレーニングに励んだのは、知る人ぞ知る有名なエピソードだ。

(参考記事:アン・シネが日本ツアーに向けて筋肉増量。その筋トレ動画もセクシーすぎる!!)

実は今回の韓国取材では、アン・シネの両親にも話を聞いた。

6月の『アース・モンダミンカップ』以来の再会となったアン・シネの母イ・ヨンスクさんは、「シネは昔から負けず嫌いですよ」と嬉しそうに語っていたが、「最近は日本でプレーするようになって、以前よりもさらに成熟しました」と嬉しそうに笑っていたことが印象的だった。両親は娘アン・シネの変化に目を細めていた。

そんな両親にアン・シネはどうしてもプレゼントしたいものがあるという。

「今まで両親が好きなことや喜んでくれることをたくさんプレゼントしようと努力してきましたが、ただひとつだけできていないことがあるんです。それは、両親が見守ってくれている中で優勝すること。これまで韓国でも何度か優勝しましたが、あるときには母が病(乳がん)で調子が悪かったり、あるときは父がガンの闘病中だったりと、両親が見ている中で優勝カップを掲げたことが一度もないんです。ですから、近いうちにかならず、両親の目の前で優勝カップを掲げたい。それが私の今の目標です」

「結婚ですか? 私が男性だったらアン・シネとは…」

ガンと闘う父のために、常に寄り添ってくれた母のために、そして熱い声援を送ってくれる日本のファンたちのために、「優勝」という結果を残し、その喜びを分かち合いたい。韓国からやってきた“麗しきセクシークイーン”は、そんな想いを胸に秘めてフェアウェイに立っているのだ。

だから今は愛するゴルフと真摯に向き合うつもりだという。「両親は一人娘のウェディングドレス姿も早く見たいのでは?」と冗談半分で尋ねると、歯切れの良い口調でこんな言葉が返ってきた。

「そんなことないですよ。父は私の花嫁姿を見たいとも思っていない感じです(笑)。それにツアー生活を送りながら、恋愛するのは簡単ではないですよ。

さっきもお話しましたが、24時間365日ゴルフ中心で生活サイクルが回っていまし、今年は韓国と日本を行き来していますから。日本に行ってしまえば会えないし、韓国にいても週末はツアーで各地を飛んでいるわけですから、なかなか会うこともできない(苦笑)。

正直、私が男性だったらアン・シネのような女性とは絶対に付き合いません(笑)。私が男性だったら、いつもそばにいてくれる女性と恋愛します。

だから今は恋愛も結婚もお預け。いつか引退したあとに、甘くて温かい恋愛をして結婚したいですね。ほんと、まだまだ先だと思いますが(笑)」

かつてアン・シネは韓国メディアの取材で、こんなことを言ったことがある。

「私がセクシーですって? いえいえプロゴルファーはゴルフがうまく行っているときこそセクシー。優勝セレモニーをするときが、もっとも美しくカッコよく見える。あの瞬間がもっともセクシーですよ」と。

そのスタイリッシュなファッションが話題で、何かとセクシーさばかりが強調されるアン・シネ。韓国でも彼女のラウンドには大勢のカメラマンが駆け付け、取材合戦を繰り広げるが、彼女の考える“セクシーさ”はまた違う意味を持つのだろう。

(参考記事:追跡!! 韓国では膝上35センチの“スカイブルー”!? アン・シネとマッチプレー!!)

4回に渡って紹介したアン・シネ独占インタビュー。彼女自身がもっともセクシーだと思う瞬間が、日本で一日でも早く訪れることを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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