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松田遼馬がフェニックスで躍動!6回2安打無失点《10/12 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
跳ねるようなフィニッシュ。松田投手は先発で久々に6イニングを投げ、無失点でした。

きのう12日は連休最後の祝日で、フェニックス・リーグの楽天-阪神戦が行われたKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎にも、家族連れのお客様がけっこう来られていました。前日に続いて岩貞投手のご家族、横田選手のご両親も観戦され、毎年恒例で大和選手のご両親も“私に会いに”いらしてくださったのですが、前日のCS・巨人戦で見せたファインプレーについて話が盛り上がったのは言うまでもありません。

試合は、このところ続いている先発投手の好投がこの日も見られました。松田投手が6回を投げ2安打無失点!しかも前日とは違い、打線が中盤に4点を取っています。しかし…リリーフしたトラヴィス投手が7回にホームランや二塁打、2四球に暴投などで一挙7失点。逆転負けを喫してしまいました。これは前日と同じようなパターンでしょうか。

なお、この日も左手親指つけ根の痛みで欠場したペレス選手は、CSが終了したことにより、きょう13日の午前に宮崎を離れました。鳴尾浜に戻って残留練習に参加します。帰国の日時は未定とのことです。そしてCSに参戦していた若手選手が何人か、またフェニックスに来るみたいですね。

《フェニックス・リーグ》10月12日

DeNA- 阪神 (サンマリン)

阪神 000 022 000 = 4

DeNA 000 000 70X = 7

◆バッテリー

【阪神】松田-トラヴィス-榎田 / 小豆畑

【DeNA】砂田(6回)-福地(1回)-田中(2回) / 嶺井-亀井(8回~)

◆本塁打 乙坂ソロ(トラヴィス)

◆二塁打 森越、西田、飛雄馬

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]右:横田   (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

2]二:森越   (3-2-2 / 0-1 / 0 / 0)

〃打:植田   (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

3]遊:北條   (4-1-0 / 0-0 / 0 / 1)

4]中:中谷   (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0)

5]三:陽川   (4-1-0 / 2-0 / 0 / 2)

6]指:岡崎   (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

〃走指左:田上 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

7]左指:緒方  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0)

8]捕:小豆畑  (3-0-1 / 0-1 / 0 / 0)

9]一:西田   (3-2-1 / 0-0 / 0 / 1)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

松田 6回 94球 (2-3-1 / 0-0) 146

トラ 1回 37球 (5-0-2 / 7-5) 138

榎田 1回 19球 (1-1-0 / 0-0) 139

試合経過

まず打線は1回、1死から森越がサード強襲の左前打(一応ヒットにはしましたけどエラーっぽいですね)で出たものの、2死後に中谷の打席で飛び出してタッチアウト。2回は1死から陽川が中前打、しかし岡崎は遊ゴロ併殺打と3人ずつで片付けられました。3回は先頭の緒方が中前打しますが、あとが続かず。4回は森越の四球と北條の左前打で無死一、二塁とチャンスに中谷から3者連続三振…。

12日もそこそこ風の強い一日でした。
12日もそこそこ風の強い一日でした。

ようやく5回、2死を取られてから西田の中前打と横田の左前打で一、二塁として、森越が右中間へタイムリー二塁打!2人を還して先制しました。さらに6回にも中谷がショートのエラー、岡崎は左前打、緒方の四球などで1死満塁となり、小豆畑が四球を選んで押し出し。ついで西田の中犠飛!この回も2点を追加しています。

テンポよく投げられたと松田投手。
テンポよく投げられたと松田投手。

先発の松田は1回が三者凡退。2回は1死から飛雄馬の中前打、倉本への四球などがあったものの後続をしっかり断って無失点。3回、4回は三者凡退で、5回も1安打のみ、6回は再び三者凡退。2安打無失点で予定イニングを終えました。

4対0とリードして迎えた7回はトラヴィスが登板。いきなり4番の乙坂にボールスリーとして、4球目の真っすぐ(137キロ)を打たれます。これが逆風をついてライトスタンドへ飛び込むホームラン。飛雄馬には左中間二塁打、百瀬と嶺井は連続四球で無死満塁となり、8番・桑原に左前2点タイムリー。あっという間に1点差です。

代打・高城の犠打で1死二、三塁としたあと、関根のセカンド内野安打(右前打?)で2人が生還。ついに逆転されました。さらに暴投で関根を三塁へ進め、続く渡邊の遊ゴロを捕った北條がホームへ悪送球。関根が還り、渡邊も二塁へ行っています。次の山下幸は右前打で1死一、三塁となり、一巡して乙坂が中犠飛。山下幸の盗塁を小豆畑が刺して、ようやく長い長い7回が終わりました。5安打3四球で7失点、自責は5です。

8回は榎田が登板。先頭の飛雄馬の一ゴロを西田が捕ってトス、しかしベースカバーの榎田はキャッチできず。ヒットのランプはつきましたが、これは送球エラーでしょうね。百瀬の中前打で無死一、二塁とするも、あとは左飛、中飛、見逃し三振で無失点でした。

7回、8回は三者凡退だった打線は9回、西田に右越え二塁打が出たものの反撃できないまま試合終了。逆転負けを喫し、ここまでの通算成績は練習試合を除く7試合で2勝4敗1分けとなっています。

「積極的にいこうと思った」森越

先制の2点タイムリー二塁打、森越選手。
先制の2点タイムリー二塁打、森越選手。

試合後の話は森越選手と松田投手にしか聞けていないのです。すみません。まず5回2死一、二塁で先制の2点タイムリー二塁打を放った森越選手。「真っすぐです。前の回(5回)にノーアウト一、二塁で三振3つで0点だったので、チームとしても、あそこで1点欲しい場面。積極的にいこうと思っていました」。それで初球を打って右中間へ。お見事です。「右中間に飛んでくれてよかった!」。1回にはサードを強襲しての左前打があり「あそこは追い込まれてから反応できたのでよかった」と振り返っていました。

もしかすると3年ぶりの6イニング?

松田投手。ナイスピッチングでしたねと声をかけたら「ま、普通ですね」という答え。何回までの予定だった?「僕は勝手に5回かなと思ってたんですけど、決まってなかったみたいで」。なるほど。6イニングは久々ですが、スタミナは問題なかったようです。

「1年目にナゴヤ球場(ウエスタン中日戦)で8回まで投げたことはあります。2年目以降は…覚えてない。6回ってなかったと思うんですけど」と本人談。そうですねえ、私も記憶が定かでないけど…家に帰ればわかると言ったら「帰って調べてきてくださいね」と松田投手。承りました!

久々に6イニングを投げた松田投手。
久々に6イニングを投げた松田投手。

ピッチングを振り返ってのコメントは「向こうも早打ちしてくれたし、どんどんストライクで勝負しようと、序盤はよくなかったから後半は切り替えていきました。真っすぐ自体、最初はよくなかったので。中継ぎなら1イニングだからいけるけど、先発は試合を作らないといけない。それを考えて。小豆畑さんも変化球(のサイン)を多めに出してくれた」と言うもの。よかったことは?と尋ねると「この前はテンポが悪かったんですけど、きょうはテンポよくいけたのはよかったですね。セットポジションで投げて。6回トータルで“ゼロ”だったし」と話していました。

久保投手コーチによれば「6回までの予定だったよ」とのこと。そして「よかったですね。6回も3人で終わったし。本人に聞いたら1年目に8回まで投げたことがあるらしい。未知の世界ではなかったんやね。残念」と笑います。

そういえば以前にも、松田投手に関して「7回くらいまでいかせたいね。5回までいって、あともう少し粘れれば。ボールの力もあるし、ただ中継ぎ要員でなく面白い先発ピッチャーになると思う。そういうところまで、このリーグでいきたい。そして秋季キャンプは先発で長くいければね」と久保コーチの談話がありました。次回の登板も楽しみにしましょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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