チキンラーメンの袋の色使いが色彩のみの商標として登録
「チキンラーメン横じま、商標登録 パッケージの配色 日清食品」というニュースがありました。タイトル画像に示した色彩の組み合わせのみで商標登録に成功したという話です。2018年7月出願で2022年3月に登録なので、約3年半を要したことになります。
今までにも何回か書いてきましたが、色彩のみの商標登録はハードルが高いです。商標として色彩の使用を独占できるということはきわめて強力な権利なので、それに見合うだけの認知度(専門的に言えば識別性(または識別力))を獲得していなければなりません。
現時点で色彩のみの商標登録は、今回のチキンラーメンを入れて9件しかありません。下の図を見れば「この色と言えばこの商品(会社)」と多くの人が認識するであろう強力な識別性を獲得しているものであることがわかります。チキンラーメンについてもその点に異論のある人は少ないでしょう。
一般に、色彩のみによる商標の識別性を立証するためには、使用の歴史、市場シェア、メディアでの扱い、広告宣伝活動、消費者のアンケート調査等、膨大な証拠を提出しなければなりません(弁理士の腕の見せ所でもあります)。特許情報プラットフォームで登録6534071号の「経過情報」をクリックして、「意見書」をクリックすると、日清食品側が提出した資料の一部を見ることができます。
日清食品と言えば、2018年にカップヌードルの容器の装飾模様(下図参照)の位置商標としての登録にも成功しています。位置商標とは文字やマークとそれの位置によって特定される商標です。文字要素がなく図形だけの場合に登録のハードルが高く、使用による識別性を立証しなければならない点は、色彩のみによる商標と同じです。その時にも記事を書いていますのでご参照ください。