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WBCジャパンには「シーズン30本塁打以上の実績あり」が6人。これは歴代最多!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 AUGUST 7, 2021(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 WBCジャパンのロースターには、1シーズンに30本以上のホームランを打ったことのある選手が6人いる。山田哲人(東京ヤクルト・スワローズ)と岡本和真(読売ジャイアンツ)が5度、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)と村上宗隆(東京ヤクルト)が3度、鈴木誠也(シカゴ・カブス)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は2度だ。鈴木は、広島東洋カープで2度。大谷は、エンジェルスで2度記録している。

筆者作成
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 この人数は、WBCジャパンの歴代最多ではない。過去4度のうち、2013年は3人、2017年は5人だが、2009年は6人、2006年は7人を数えた。なお、これらの人数は、出場した時点の実績だ。2013年のメンバーには、松田宣浩(当時・福岡ソフトバンク・ホークス/現・読売ジャイアンツ)と中田翔(当時・北海道日本ハム・ファイターズ/現・読売)もいるものの、2人とも、初めてのシーズン30本塁打以上は2015年なので、人数には含めてない。鈴木も、前回の出場時点では、直前の2016年に記録した29本塁打が自己最多だった。

 2006年の7人は、小笠原道大松中信彦和田一浩福留孝介多村仁岩村明憲新井貴浩。2009年の6人は、小笠原、福留、岩村、城島健司阿部慎之助村田修一。2013年の3人は、阿部、松井稼頭央坂本勇人(読売)。2017年の5人は、坂本、松田、中田、山田、筒香嘉智(当時・横浜DeNAベイスターズ/現テキサス・レンジャーズ)だ。

 ただ、今回の6人は、いずれも1シーズンに35本以上――より細かく刻めば、38本以上――のホームランを打ったことがある。こちらの人数は、過去4度を上回り、歴代最多となる。2006年の場合、シーズン35本塁打以上の実績を持つ選手は5人だった。福留は2003年の34本塁打が最も多く、和田のシーズン35本塁打以上はWBC出場後。2010年に37本塁打を記録した。他の3度は、2009年が4人、2013年が2人、2017年は3人だ。

 今回の6人は、全員をスターティング・ラインナップに並べることも――ホームランだけが得点を挙げる方法ではないので、そうするのがベストなのかどうかはさておき――できる。山川が一塁、山田が二塁、村上が三塁、レフトが岡本、ライトが鈴木、大谷がDHといった具合だ。この場合、岡本だけは、読売で定位置としている三塁ではなくなるが、2017~19年はレフトも守っているので、不可能ではないだろう。ちなみに、他の5人はそのまま、レフトを岡本ではなく吉田正尚(ボストン・レッドソックス)とすると、スターティング・ラインナップには、1シーズンに29本以上のホームランを打ったことがある6人が並ぶ。

 なお、過去4度のWBCで日本チームの選手が記録したホームランは、計33本だ。それについては、こちらで書いた。

「WBCで日本人選手が打ったホームランは計33本。多村、中田、筒香は3本ずつ。内川と松田は2大会連続」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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