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ICCのミラノダービーで先発出場した長友佑都が語る現在の状態と心境は?

河治良幸スポーツジャーナリスト

中国では欧州有力クラブによるICC(インターナショナルチャンピオンカップ)が、インテル、ミラン、レアル・マドリーの3クラブが参加する形で行われており、3試合を取材するため東アジアカップに先立ち中国入りしている。

その初戦となる25日のミラノダービーではミランの本田圭佑とインテルの長友佑都が揃って先発出場した。45分までプレーした本田は、トップ下でベルトラッチやニヤンとうまく絡みながらビッグチャンスを何度も作るなど、ミハイロビッチ新監督にしっかりとアピールし、同時に今後の可能性を感じさせるプレーを披露した。

一方の長友は多くのクラブが移籍先として浮上する難しい立場でありながら、スタートから75分間プレーし、前半の途中までは新しいメンバーとのバランスに苦労していたものの、徐々に前向きなプレーが目立ち、後半にはドリブルから鋭いミドルシュートも放った。

交替前には暑さのため少し疲れが見られたものの、コンディションは上向いて来ている印象の長友。移籍報道に関しては「何が起こるかわからない」と認識しつつ「僕は自分が今やるべきことに集中してやっていますし、どうなるかは神のみぞ知るなので」と語る。

「本当に欲してくれるクラブがあるなら、しっかりと話し合いたい」とは言うものの、インテルに残れることをベストには考えていることは確かだろう。試合後、その長友に現在の状態と心境について話を聞いた。

チームのために戦っているという犠牲心は監督の心にも届く

ーー今日は長くプレーしましたが感触はどうでした?

長友「まだ試合をやっていなかったので、こういう暑さで75分くらいまで出ましたけど、コンディション的にはよかったのかなと思います」

ーー前の選手は若手が中心だったが、連携面はまだ構築中?

長友「今回初めてやる選手ばっかりだったので連携面は正直、難しいところはありました」

ーー後半はシュートなど積極的なプレーが目立ったが、ハーフタイムに意識を変えたのでしょうか?

長友「それは特に無かったです。前半から行けるところは行こうと思ってましたけど、なかなかうまく連携もできてなかったし、自分らのサッカーがなかなかできてなかったので」

ーーチーム作りの段階としてはどのくらいまで来ている?

長友「どうですかね。でもまだ3週間くらいしか経っていないので、まずはチーム作りっていうより、コンディション作りの方です。焦らずにやっていきたいと思います」

ーー6月の代表戦の時は試合前にケガもありましたが、今はすっかりいいですか?

長友「大丈夫です。もうずっと合宿から2部練でやっていて、コンディションも上がっているので、焦らずしっかり(さらに)コンディションを上げたいと思います」

ーー日本代表ではどれだけチームに献身的にやれるかを1つのテーマにしていますが、クラブでは競争もある中でチームの勝利と個人でのパフォーマンスをどう考えているでしょうか?

長友「チームのために戦っているという犠牲心だったり、そういったものは(マンチーニ)監督の心にも届くかなと思っていて、僕が逆の立場で監督をしてたら、そういう選手をやっぱり使いたいなと思う。おのずとそういうプレーができていると、自分のパフォーマンスもいいということで、そこはイコールなんじゃないかなと思います」

ーー東アジアカップを日本代表は戦うが、国内組で戦うチームを気にしている?

長友「もちろん注目してるし、いい面子が揃ってるんでね、しっかりと今やってる自分たちのサッカーをやれば勝てると思う。ただ、相当厳しい戦いになるのは間違いないです」

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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