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阪神タイガース・俊介選手と原口選手の伊賀自主トレ《1/16》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
2009年のドラフトで入団した“同期”の俊介選手(右)と原口選手が合同自主トレ。

阪神タイガースの俊介選手(28)が、三重県伊賀市の施設で自主トレを行うのは4年連続となります。ことしは後輩の原口文仁選手(23)と一緒でした。基本的には2人での練習ですが、社会人野球の試合も行われる立派なグラウンドと室内練習場もある施設で、バッティングの際にボールを投げてくれる方やトレーナーもおられる最高の環境と言えますね。

その練習メニューは、朝10時からグラウンドに併設された室内練習場でウォーミングアップ、キャッチボール、ゴロ捕球、バッティング練習で午前の部が終了。昼食と休憩を挟み、午後は建物内でのウェートトレーニングで、きのうは自重で(自分の体重を利用して)行う股関節のトレーニングや体幹などを1時間ほどやっていました。そして最後にグラウンドを走って午後3時頃にアップというスケジュールです。

先輩・俊介選手も相乗効果あり

歳は違えど同期入団で、4年前は揃って城島健司さんの長崎・佐世保自主トレに参加していた2人。俊介選手は城島さんの引退後から伊賀で単独自主トレをしていました。今回初めて“合同自主トレ”となったのは、その城島さんから「原口に声かけてやったら?」という言葉もあったとか。それだけでなく、ずっと1人でやっていた俊介選手が後輩の原口選手を誘ったのは「お互いの役に立つと思ったから」。これも1つの超変革かもしれませんね。

夕方になると冷え込みもかなり。というのがわかる俊介選手の装いです。
夕方になると冷え込みもかなり。というのがわかる俊介選手の装いです。

で、一緒にやってみて原口選手はどうですか?「合う、合わないがあるんでしょうけど、僕は合うと思いましたよ。あとは本人次第じゃないですかね」と言います。実はこれ『水曜どうでしょう?』風に「原口くん、どうでしょう?」と聞いてみたんですけど、生真面目な俊介選手がとても真剣に応えてくれたわけで…。すみません。でも合同でやってみて相乗効果は大きかったのだと思われます。

引き続き俊介選手の話。体調は問題なく、昨秋に少し違和感のあった右ヒジも「大丈夫です!今トレーニングしているから大丈夫」とうなずきました。バッティングについては「秋季キャンプでやっていたことを継続しています。その中で、距離に関しても振らないと出ないから、しっかり振るように心がけてやっています」とのことでした。

体が去年より大きくなったような。体重は?「4キロ増えましたよ。秋季キャンプの頃から」。それは筋肉ですね?「たぶん(笑)」。何か言いたげな笑顔でニコニコと聞いていた原口選手が、ここで「僕はおいしいもの食べ過ぎて太っちゃいました」とお腹をさすりながら接近。すると俊介選手が笑って「しかも今夜はすき焼きだぞ、グッチの大好きな!」と。すごく嬉しそうだった原口選手、また食べ過ぎたかなあ。

練習の締めに屋外でランニング中の俊介選手。
練習の締めに屋外でランニング中の俊介選手。

ちなみに、結婚して初めてのお正月はどうだったかと、本当に余計なお世話の質問をしたところ「実家に帰っていたので2人だけで迎えたわけじゃなかったですけど」と、やはり丁寧に答えてくれます。新婚生活は順調?「はい、順調です」。だからこそ自主トレにもしっかり集中できていると言っていました。何を聞くねん、ですよね。失礼しました。

また、いつも見守ってくださるファンの皆さんには「ありがたいです!」と感謝の言葉。今シーズンの活躍が何よりのお返しでしょう。打って、走って、守って、熾烈な外野手争いを制してください。

「感覚が良くて、帰るのが怖いくらい」

原口選手も、3年目を迎えた2012年に参加した城島さんの佐世保自主トレ以外、基本的に単独で行っています。というか2013年は前年に発症した腰痛の影響もあり、また昨年は2014年のフェニックス・リーグで右肩を痛めたため、いわゆる“リハビリ組”として早期に鳴尾浜へ戻ってのトレーニングでした。よって4年ぶりに普通の新年で、ましてや俊介選手が単独でやっていたことを気遣ってか、最初は遠慮したそうです。

でも、そこで「グッチのためにもなるから、一回来てみ」という、さりげない“ひと押し”で心を決めた原口選手。ちなみにこのフレーズは俊介選手の物まねで再現してくれたんですけど…まったく似ていませんでした。バラしてすみません。

話していても笑顔がこぼれる原口選手。ことしがいいシーズンでありますように。
話していても笑顔がこぼれる原口選手。ことしがいいシーズンでありますように。

参加してどうだった?「よかった!来てよかったです」。休みを1日挟んでいるので実質は6日間でしたが、充実していたのでしょう。「この時期、マシンのバッティングはしていたけど、手で投げてもらってはなかなか打てないので。バッティングもよくなっています。感覚メッチャいいですよ。鳴尾浜に帰るのが怖いくらい」。おお~それはすごい!

バッティングだけでなく、体作りの面でも収穫があったみたいですね。ウエートトレーニングは鳴尾浜でも、また昨年オフには別のジムへも通ってやっていましたが「その前の段階で、ウエートにいく前の股関節周りなどをチェックしてもらったんです。そこを使えたらもっと良くなると言われた」とか。今までやってこなかったという、そのトレーニングに目からウロコが落ちるくらいだった様子です。例えば腰痛を防ぐためにも役立つ?「はい!持って帰って続けたい」

最初に書いた通り俊介選手の自主トレはトレーナーとして、いつもレッドスターベースボールクラブのトレーニング&コンディショニングコーチを務める関西医療大学講師の牛島詳力さんがサポートされています。原口選手の言葉を聞き「そんなふうに言ってくれていたんですか?よかったです。でも逆に、今までやっていなくて、あれだけ打てるっていうのもすごいこと!」と牛島さん。今までは俊介選手ひとりだったトレーニングに原口選手が加わり「彼にとっても、先輩としてやらなくてはという気持ちが出て、いい効果があったんじゃないですかね」と振り返られました。

キャッチャーで支配下に戻ってほしい

同じグラウンドで少年野球チームも練習中。穏やかな顔で見つめる原口選手です。
同じグラウンドで少年野球チームも練習中。穏やかな顔で見つめる原口選手です。

原口選手に今季の抱負を聞いたら「1軍に行くぞ!行って活躍するぞ!1軍でお金を稼ぐぞ!」と目をキラキラさせています。昨年9月末には「覚悟もしていた」と言いますが、チャンスをもらいました。そして秋季練習や秋季キャンプで金本監督の評価を得て、もしかしたら沖縄キャンプの可能性も?と期待がふくらむ一方。心も体も充実した年明けとなったようですね。

それから「打つぞ!守るぞ!走れないけど走るぞ~」と続けます。何とも正直な意気込みで(笑)。「盗塁ってことじゃなくて、走れるところ、走るべきところはしっかり走ります!」と説明つきでした。また「キャッチャーできるかな。やりたいな。キャッチャーをできるようにメニューを組んでもらってトレーニングしてきたので」とのこと。ことしが7年目、育成選手となって4年目を迎える原口選手。再び支配下登録を勝ち取るための戦いは、もう始まっています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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