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1試合1安打のストリークが最長に並ぶ手前で途切れる。16試合目は無安打ではなく2本のヒットを打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケテル・マーテイ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)May 18, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月19日、ケテル・マーテイ(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、2回裏にシングル・ヒットを打ち、18試合連続安打(4月28日~)とした。このストリークは、今シーズンの最長タイだ。4月16日~5月5日のアレック・ボーム(フィラデルフィア・フィリーズ)に並んだ。

 2回裏に続き、マーテイは、4回裏にもシングル・ヒットを打った。これにより、もう一つのストリークは途切れた。1試合2安打以上は、4月29日以来。4月30日~5月18日の15試合は、いずれも、1試合1安打だった。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1900年以降、1試合1安打のストリークは、テッド・サイズモアが1975年6月1日~18日に記録した、16試合が最長だという。マーテイは、5月19日も1安打なら――もちろん、1安打より2安打のほうがいいが――16試合連続1安打となり、サイズモアと並んでいた。

 サイズモアの16試合連続1安打は、17試合連続安打の1試合目から16試合目まで。17試合目は、2本のヒットを打った。それぞれのストリーク中の打率は、16試合連続1安打が.276(58打数16安打)、17試合連続安打は.290(62打数18安打)。各スパンにおける長打は、前者が二塁打1本、後者は二塁打2本だ。

 マーテイの15試合連続1安打は、18試合連続安打(継続中)の3試合目から17試合目まで。15試合連続1安打のスパンは、打率.242(62打数15安打)ながら、長打は8本を数えた。二塁打と三塁打が2本ずつ、ホームランは4本だ。18試合連続安打のスパンも、打率は.267(75打数20安打)と高くないが、長打は10本。二塁打とホームランが各4本、三塁打は2本。上の写真は、5月18日に三塁打を打った直後だ。

 15試合連続1安打は、見落としがなければ、マーテイ以外に2人が記録している。2005年6月11日~27日のアレックス・ゴンザレスと、2014年6月5日~21日のジミー・ロリンズがそうだ。前者は、20世紀から21世紀にかけてプレーした2人のアレックス・ゴンザレスのうち、フロリダ・マーリンズで遊撃を守ったほう。もう一方のアレックス・ゴンザレスも、遊撃手だった。

 ゴンザレスの15試合連続1安打は、17試合連続安打の3試合目以降だ。ロリンズは、15試合連続1安打=15試合連続安打。その前後の試合は、5打数0安打と4打数0安打に終わった。

 なお、ロリンズは、2005年から2006年にかけて、38試合連続安打を記録している。こちらのストリークは、歴代8番目の長さだ。

 マーテイの18試合連続安打は、自己最長を更新している。それまでは、2022年5月16日~6月4日の16試合連続安打が最も長かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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