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「ラン活の正解がわからない」そんなあなたへ

ピッグママチャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー
Photo:pixabay

就職活動ならぬランドセル活動、通称『ラン活』の時期が始まりました。

このゴールデンウィークで、展示会に参加されたご家族も多いのではないでしょうか。

最近のラン活は、年中の夏ごろから始まり、早ければ早いほど選択肢の幅が広く、しっかりと吟味して、ランドセルを選ぶことができるでしょう。

しかしながら、「子どもの好みなんてすぐ変わるし」「数年後のことを見越して選ぶことは可能なの?」などと疑問を抱えているママも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、『ラン活』にあまり乗り気でない一人として、どうしていこうか考えたいと思います。

そもそも何でランドセル?

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日本では、ランドセルは、小学生を象徴するものといっても過言ではないですよね。

ランドセルの歴史は、江戸時代にまでさかのぼり、幕末に輸入され、軍隊で活用されるようになった布製の背のうが、その始まりだとされています。

「背負うことによって、子どもの負担が軽減できる」、「両手が自由に使える」などの長所から、ランドセルは、小学生用の通学かばんとして広く普及していきました。

ランドセルは日本独自の文化

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ランドセルを通学カバンとして使用しているのは、日本の小学校だけです。

日本独自の文化と言われると、七五三などと同様に、その機会を子どもにも与えたいと思いますよね。

入園式の日に、桜の木の下で、ランドセルを背負った子どもの写真は、思い出になること間違いないでしょう。

子どもたちが、「可愛い」「かっこいい」などとランドセルを持つことに憧れる気持ちも、よくわかります。

しかしながら、『ラン活』を進めていくうちに、必ず直面する問題があるのです。

選択肢が多すぎて選べない

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突然ですが、『ジャムの法則』をご存知でしょうか。

スーパーのジャム売り場で、ある実験が行われました。

ある週はジャムの試食を6種類、また別の週には24種類ものジャムを用意し、その売り上げを比較するというものです。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授によると、選択肢が多いと得した気分にはなれるけれど、選択することが難しくなり、結果的に満足度は低くなってしまうそうです。

そして教授は、人がストレスなく自信をもって選択できる選択肢の数は、7±2、つまり5~9だと結論付けました。

現在売られているランドセルには、どれほどの選択肢があるでしょうか。

例えば、人気メーカーである『フィットちゃん』だと、200種類80色ほどのバリエーションがあります。

購入前に、あらかじめ、子どもに色を決めておいてもらい、背負心地や使いやすさなどを比べるという方法にしたら、良いのかもしれません。

しかしながら、実際に店舗などで、他の色を見たら「やっぱりこの色もいいなぁ」と言うことは、容易に想像できますよね。

リュックじゃダメなの?

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結論から述べると、リュックでも別に大丈夫です。

ランドセルの使用義務があるわけではありません。

しかし、一部の学校では、通学にランドセルを指定しているところもあるようです。

ランドセルと比較すると、リュックのメリットは「軽い」「安い」「洗える」の3点があげられると思います。

ランドセルが1〜1.5kg前後のものが多い中、リュックは1kg以下のものがほとんどでしょう。

価格は、ランドセルが6年間の保証があるものだと5万円前後、リュックだと1万円以内におさえることも可能です。

夏場に汗をかいたり、水筒の中身などをこぼした際にも洗えるので、清潔です。

反対に、デメリットは「耐久性」「使いづらさ」「目立つ恐れがある」の3つがあげられると思います。

リュックは軽さ重視なので、6年間もつことはないでしょう。

毎年買い換えるつもりでいたほうがいいかもしれません。

ランドセルは、学校で使うことを想定して、子どもが使いやすいように設計されています。

一方、リュックは教科書が曲がってしまったり、防犯ブザーなどを引っかけるフックはないため、自分でカナビラを装着したりする必要があるでしょう。

大抵の小学生はランドセルを使っているので、「なんでランドセルじゃないの?」と疑問を持たれる可能性はあります。

お子さんが「なんで自分だけリュックなの?」と、孤立感を持たないように、意思をしっかり確認することが大切だと思います。

「リュックだと、雨の日に中身が濡れないか心配」と思われる人もいるかもしれません。

撥水加工が施されたリュックや、レインカバーやレインコートを着けてしまえば、個人的には問題ないかと思います。

最終的に決めるのは子ども

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通学に使うカバンをランドセルにするか、リュックにするか迷いますよね。

しかしながら、子どもが背負うものなので、子どもに決めてもらうのがいいのかなと思います。

メリット、デメリットを紹介したうえで、最終的には子どもが自分で選ぶことが『ラン活』の正解なのかもしれません。

私たちが子どものときは、「女の子は赤いランドセル」、「男の子は黒いランドセル」という選択肢しかありませんでした。

今の子どもたちは、自分で好きな色やデザインを選ぶことができます。

進路を決めるように、人生の最初の大きな決断がこの『ラン活』に隠れたメッセージなのかもしれません。

参考記事:

『ランドセルの歴史』ランドセルくらぶ 一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会

『2025ラン活はいつから?最新スケジュールと失敗しないコツ』YOIMONO -子育てをサポートするお役立ちサイト-

最適な選択肢の数は「7±2」? ~ジャムの法則~ ビズサプリ

チャイルドコーチングアドバイザー/メンタル心理カウンセラー

一児の母として、コーチングや心理学を子育てに応用する方法などを発信しています。年間180本ほど見る映画ファン。

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