全国で新型コロナ患者が再増加の気配 欧州のような大流行を避けるためには
ヨーロッパ諸国では第2波を迎えており、第1波を大きく超える感染者数を記録しています。
一方、日本も徐々に新規感染者が増加に転じており、これから冬を迎えるに当たって今一度感染対策を見直す時期に来ています。
ヨーロッパでは第2波を迎え、多くの国で再びロックダウンに
すでに報じられている通り、ヨーロッパ各国は新型コロナの第2波を迎えており、第1波の規模を大きく超える感染者が出ています。
ドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、フランスでは連日1万人を超える感染者が報告されています。
人口あたりで見ると、他のヨーロッパ諸国も非常に多くの感染者が出ていることが分かります。
フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、ベルギーなどで外出禁止などの措置が取られています。
日本でも新型コロナ症例が再増加に転じている
「ヨーロッパが大変なことになっている」という報道が目立ちますが、日本も他人ごとではありません。
第2波が完全に収まりきらずに1ヶ月以上ダラダラと新規感染者数が横ばいで推移していましたが、この4週間ほどで、明確にトレンドが上昇に転じています。
これまでの傾向では、3月中旬から下旬にかけての症例増加後に第1波が、6月中旬から下旬にかけての症例増加後に第2波を迎えており、この4週間の症例数の増加が今後の爆発的な増加の予兆でないことを願うばかりです。
気になるのは北海道での症例数増加です。
昨日も北海道では1日当たりの新型コロナ感染者数が過去最多を更新しました。
北海道でコロナ感染者が急増 過去最多に 担当者「危険な状況」
これまでに、新型コロナは「気温が低い」「湿度が低い」環境で感染が広がりやすいことが様々な研究により明らかになっています。
現在、ヨーロッパで流行が広がっている一因として、徐々に気温が低下していること、それに伴い屋内で換気が十分行われなくなっていることがあると思われます。
北海道は日本国内でも一足早く寒い季節を迎えており、すでに最高気温が10℃を下回る地域も出ているようです。
患者数の急激な増加と関係があるのかもしれません。
覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、日本で最初に2020年2月28日に緊急事態宣言を出したのが北海道であり、その後流行は全国に広がりました。
これからの症例数の推移が非常に気になるところです。
世間のコロナへの関心は低下しているかもしれない
さて、そんな中、世間の新型コロナへの関心も低下しているのかもしれません。
Googleトレンドによると「新型コロナウイルス」の検索数は第一波の最中、緊急事態宣言の発令前の4月上旬をピークに低下し、第2波においてもそれほど上昇せず、現在は最低値を推移しています。
この結果と世間の関心が必ずしも一致するとは限りませんが、新型コロナの流行が始まって10ヶ月が経ち、私たちもいい加減コロナに疲れてきているというのが正直なところかと思います。
しかし、これが油断に繋がり、さらには感染拡大に繋がらないか、とても心配です。
冬に向けて第3波を起こさないために、今一度一人ひとりの感染対策を徹底しよう
これから全国的に寒くなり、屋内での換気が不十分になりやすくなる時期になります。
現在のヨーロッパ諸国のような爆発的な流行とならないためにも、今感染者の増加を抑える必要があります。
幸い現在は、クラスターが断続的に発生しているものの、全国的には「感染者のうち接触不明の割合」や「検査陽性率」の増加は認められず市中感染が広がっている状況ではありません(第1波、第2波の初期にはこれらの指標が増加していました)ので、増加を食い止めることは十分に可能と考えられます。
今のうちに、一人ひとりが
・屋内ではマスクを着ける
・3密を避ける
・こまめに手洗いをする
といった、基本的な感染対策をもう一度見直しましょう。