驚愕の初競り「2億円のクロマグロ」 たった3分でわかる落札者の狙いと“凄腕漁師”の人物像 #専門家のまとめ
新年の恒例となるクロマグロ=本鮪の初競りが東京の豊洲市場で2025年1月5日に行われ、話題を席巻しています。ONODERA GROUPとやま幸が共同で276キロの青森県大間産クロマグロを、過去2番目の最高値となる2億700万円で落札。過去最高額は、2019年に「すしざんまい」が落札した278キロの大間産クロマグロの3億3360万円です。築地市場から移転してはじめてとなる豊洲の初競りでした。最近で落札額が低かった初競りが2015年。180キロの大間産クロマグロの451万円で、桁が2つも異なります。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
やま幸は1982年3月に創業した仲卸業者。多くの鮨や日本料理の名店から厚い信頼を得ており、フジタ水産、樋長、石司商店とともに4大鮪の仲卸とも呼ばれ、絶大なブランド力を誇ります。ONODERA GROUPは「鮨 銀座おのでら」やミシュランガイド一つ星「薪焼 銀座おのでら」を運営。鮨店は上海やアメリカにも出店し、ロサンゼルス店は一つ星を獲得。やま幸から仕入れていたことから、両者の信頼関係が深まりました。「すしざんまい」に対抗する形でタッグを組み、初競りではじめて落札したのが2018年。
今回のクロマグロをはえ縄でとったのが、第56新栄丸の竹内正弘氏。2年ぶり、8度目となる最高値のクロマグロとなり、“凄腕漁師”と称されています。交流があった石川県輪島市に復興支援として義援金200万円を贈った情に厚い人物です。これまで最も高いクロマグロは、竹内氏と旧知の仲であり、一本釣りにこだわる第28光明丸の藤枝亮一氏。昨年末に船が悪天候の中で転覆し、12月21日に遺体として発見されるという痛ましい事故が起きました。
初競りは、宣伝効果が抜群で、ますます注目されていますが、漁師の安全が確保されることを願います。