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河川敷でのゴルフ練習でボールを飛ばす危険行為 法規制は? #専門家のまとめ

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:イメージマート)

河川敷のゴルフ禁止場所でゴルフの練習を行い、ドライバーでフルスイングを繰り返し、ゴルフボールを豪快に飛ばす危険な迷惑行為が問題となっています。法規制を含め、理解の参考となる記事をまとめました。

ココがポイント

▼近くに子どもたちがいてもお構いなしでフルスイングし、警察官が駆けつけると大急ぎで逃げる迷惑ゴルファーたち

▼河川法などの法律では河川敷でのゴルフ練習は規制されておらず、「ゴルフ禁止」の看板も迷惑行為防止のためのローカルルールにすぎない

危険すぎる! 河川敷でゴルフ練習をしている人をたまに見かけるけど…法律で禁止されていないの?(e!Golf)

▼河川敷でのゴルフ練習は危険であり、管理者がゴルファーに注意しているものの、聞いてもらえないのが現状

ゴルフの練習は危険(禁止)です(淀川河川公園)

▼河川敷でゴルフボールを打っていたケースについて、軽犯罪法違反で書類送検した例もある

河川敷無法ゴルファーに法規制が 注意聞かない悪質ケースは告発も(ゴルフダイジェスト社)

エキスパートの補足・見解

ゴルフボールを人に当てて負傷させたら傷害罪や重過失傷害罪などで立件され、民事の損害賠償責任も問われることになります。そうでなくても、軽犯罪法が「相当の注意をしないで、他人の身体に害を及ぼすおそれのある場所に物を発射した者」を処罰の対象としているので、この罪に問うことも可能です。

現に国交省も、住民の苦情を踏まえ、軽犯罪法違反で積極的に刑事告発する方針を示しています。ただ、刑罰は拘留または科料どまりと極めて軽く、住居不定や氏名不詳、逃亡のおそれありといえる場合でなければ現行犯逮捕できません。法律や条例で明確に規制し、厳罰化を行い、抑止力を高めることも考慮されてしかるべきでしょう。事故が起こってからでは遅いので。(了)

元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

元特捜部主任検事の被疑者ノート

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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