自律訓練法とは?(自律訓練法のやりかた)
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、自律訓練法についてお話したいと思います。
自律訓練法は、別名、自己催眠療法とも呼ばれています。
ドイツの精神科医、シュルツによって公にされた、
心身のひずみを自分で調整できるように考案された、系統的な心身の訓練法です。
私のカウンセリングルームいらっしゃるクライエントで、催眠療法を希望される方がいますが、私は、自律訓練法をお勧めすることが多いです。
理由は、いろいろあるのですが、自律訓練法は、催眠療法と違って、一人で出来るので、依存心も生まれないし、副作用を起す心配が少なく、効果も顕著だからです。
では、自律訓練法のやり方をお教えします。
出来る範囲で構わないので、可能ならば、毎日練習して下さい。
練習時間は、10~15分ぐらいで結構です。
では、やりかたのご説明をいたします。
① 静かな所で、ゆったりとした姿勢をとり、軽く目を閉じます。
② ゆっくりとした呼吸をくり返します。
③ 「右腕が重たい」と、心の中でつぶやきます。
④ 右腕が重たく感じるようなったら、重たい感覚を全身に広げていきます。
⑤ 全身が重たく感じるようになったら、「全身が温かい」と、心の中でつぶやきます。
⑥ 全身が温かく感じるようになったら、「心臓がとても静かに、規則正しく打っている」と、心の中でつぶやきます。
⑦ 心臓がとても静かに規則正しく打っているように感じられたら、「とても楽に呼吸をしている」と、心の中でつぶやきます。
⑧ とても楽に呼吸しているように感じられたら、「胃のあたりがとても温かい」と、心の中でつぶやきます。
⑨ 胃のあたりがとても温かく感じられるようになったら、「ひたいがとても涼しい」と、心の中でつぶやきます。
以上です。今言ったことを3分ぐらいやります。
続いて、練習後には、
上手く出来た出来ないに関わらず、必ず次の消去動作をして下さい。
① 目をつぶったまま、指の開閉運動を5~6回
② 目をつぶったまま、肘の曲げ伸ばしを3~4回
③ 目をつぶったまま、背伸びしながら深呼吸
④ 最後に、目をあけます。
ここまでを1セットとして、それを3回ほど繰り返しやるといいでしょう。
練習して、実感を得られるようになるのには、個人差があります。
早い人でも、右腕が重たく感じられるようになるのには、毎日練習しても、1ヶ月ぐらいかかります。さらに、⑨の「ひたいがとても涼しい」と感じられるようになるところまで到達できる人は、ごくごく少数です。
通常は、全身が重たく感じられるようになることが出来れば、心の中から不安感は消えている筈です。短時間で、全身を重たく感じられるようになる技術を持っているのに、神経症や不安症を持っているというのは、ちょっと考えにくいです。
なぜ、この自律訓練法で、心身のひずみが消える? かと言いますと、
全身が「重たい」と感じている時は、筋肉がどこにも力が入っていない、ダラっとした、非常にリラックスしている状態です。実は、脳というのは、筋肉がリラックスすると、つられてリラックスするものなのです。
私たちは、通常、脈拍を自由に変えることが出来ませんが、呼吸数を変えることは、比較的容易に出来ます。
それと同じように、私たちは、脳を直接リラックスさせることは困難ですが、筋肉をリラックスさせることは、練習次第で比較的上手にできるようになるということです。そして、筋肉をリラックスさせること=脳=心をリラックスさせる、ということなのです。
自律訓練法は、ひとりで練習しても、もちろん出来るようにはなります。けれど、「どうもうまくいかない」「もっと早くできるようになりたい」と思われる方は、専門家の指導を仰ぐことをお勧めします。そうすれば、習得が早くなること間違いなしです。私のカウンセリングルームでも指導させて頂いておりますので、宜しければ、ぜひご利用ください。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。