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日本代表の堀江翔太、疲労骨折からはいつ復帰?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
サンウルブズの一員として会見(著者撮影)。

 ラグビー日本代表の堀江翔太が1月、都内で故障からの復帰時期について取材に応じた。大らかな口調ながら、「(焦りは)ないと言ったらうそになります。焦りながらも、焦らない」と揺れる心境も明かした。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――現在は、昨年に負った疲労骨折からのリハビリの過程です。

「(折れたのは)トップリーグのヤマハ戦(9月22日)の週の練習の時です。ヤマハ戦は、痛いままやっていましたね。右足の舟状骨(足の甲の付け根の部分)。疲労骨折なので、ぽきっと折れたわけではないんですよね。(痛みが)引かへんなぁとずっと思っていて、だいぶ前から右足首が詰まるような感じはあったんですよ。その時から、傷がいってたかもしれないです」

――手術は。

「しました。11月の終わりごろに。最初の2~3週は手術をせずにチャレンジしたんですけど、骨自身がくっつこうとしていないのが見受けられたから手術したという感じです。(手術内容は)ねじを骨に入れて、骨をちょっと削ってという感じ」

――復帰のめどは。

「舟状骨は治りにくいらしくて。手術をしても根治込みで4~6か月くらい。それも人によって違う。

 いまは、自分の感じ的には調子はええけど、医者的に言ったら完璧に治っていない。できるだけ早く(復帰したい)という感じです。いつ復帰するかはコーチ、ドクターに聞きながらという感じになると思います。(現状では)痛くない範囲ではやって(動いて)いい、走るのは待ってくれという感じ。いまはまだやってないです」

――年末のリハビリ、トレーニングは。

「京都で、動かせる範囲で(信頼する佐藤義人氏のもとで)。下半身も上半身もという感じです。下半身は手術した直後に動けなかった分、(元の状態に戻せるよう)追いつかなと。ハム、ふくらはぎのバランス、前モモの筋肉…。上半身は自分の苦手とする部位(の力)を伸ばしていく感じです」

――今後は。

「佐藤さんのところで。あとは、ランニングするための動きをジムで。リハビリのメニューとその考え方を聞いて、それに沿いながら2月からのリハビリをやる感じ。2月は(日本代表のトレーニングスコッドの合宿に招集された場合は)チームとしてやる」

――これらの計画、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチと共有していますか。

「しているんじゃないですか。僕から直接ではないですが、ジャパンのドクターからのレポートのようなものは行っていると思う」

――体重は。下半身の怪我をした選手は軽くする傾向があるが。

「筋肉で増える分は大丈夫。なるべく身体のシェイプがぼてってならないようにはします」

――焦りは。

「ないと言ったらうそになります。あるようで、ないようなという感じで。ただ、焦って再発させると、もう絶対にワールドカップに参加できない。そこの判断はコーチとドクターに任せています。焦りながらも、焦らない」

――2015年のイングランド大会前も首の手術からのリハビリに時間を割きました。当時は大会前の夏にあったパシフィック・ネーションズカップで復帰しました。今回も似た流れになりそうですか。

「そうなる可能性はありますね。2回目やから不安ではあります。1回目はできることをやってきただけですが、2回目は1度(復帰するまでが)どれだけ大変やったかがわかっているから。復帰の時にラグビーをする恐怖心が出てきていた。ワールドカップまでの期間にどれだけの試合をこなせられるかはわからないですが、試合勘は(取り戻さなければいけ)ない」

――逆に、4年前の経験が活きる側面は。

「これからじゃないですか。活きてくるのは。試合復帰の時の恐怖心が湧いてくるのはわかっている分、その辺の対策はしなくてはいけない。足首で恐怖心が湧いてくるということは、(その時は)痛いのだろうと思います。痛みが出ないようにはしたいですよね」

――その意味では、スーパーラグビーの試合にも出たいか(日本のサンウルブズの一員でもある)。

「やりたい、ですよ。試合はある程度積んでいきたいですし」

――11月の日本代表ツアーはどう見ていたか。

「焦りが出てくるのであんまり見ないようにはしていたんですけど(前後の会話から、結果や大まかな流れなどは知っていた様子)」

 話を総合すると、「復帰時期は未定」「大会前に1つでも多くの実戦をこなしたいところだが、再発防止の観点から慎重を期したい」といったところか。前回大会では副キャプテンを務め、当時のチーム内での防御システムを改善。今度もプレイングコーチ的な役割も期待されそうとあり、その動向が注目される。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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