月3万円の家賃補助
東京大学が、来年度から女子学生を対象に、家賃補助を行うと発表した。
2016年に東大に入学した女子学生は586人。入学者3,108人の19パーセントにすぎない。諸外国の著名大学と比べても見劣りする。
東大自身も首都圏の出身者が多いことや女子学生比率の低さを問題にしている。
濱田純一前総長は、「東京大学の行動シナリオ -FOREST2015」で、2020年までに女子学生比率を30パーセントにするという目標を掲げていた。五神真現総長も、東京大学ビジョン2020のなかで、数値目標はないが、学生の多様性拡大を目標に掲げている。
女子高校生を対象とした入学案内を行うなど様々なことを行ってきた。
しかし、効果がなかったという。
批判沸き起こる
この発表に対して、批判が沸き起こっている。
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家賃補助とはやや異なるが、今までも、女子優遇策に対して批判が寄せられるというケースがあった。
「アファーマティブ・アクション」の是非
アメリカでは「アファーマティブ・アクション」という施策が行われている。
アメリカの「アファーマティブ・アクション」にも、賛否があり、議論となっている。
アメリカ大統領選挙でも、「アファーマティブ・アクション」に対する怒りがトランプ氏を当選させた背景の一つだったという。
「男性優遇」の現状に目を向けよ
今回の女子学生の家賃補助も含め、女性優遇策に男性が逆差別感を感じるのは、男性も含め、厳しい環境に直面し、悪戦苦闘している人が多いということだろう。「アファーマティブ・アクション」には賛否もある。
しかし、これを機会に、「男性優遇」の現状にも目を向けるべきだと思う。
私が東大生だったときも、女子学生は少なかったし、東京出身で現役で入学した学生が多数を占めていた。この背景には「女子は自宅から通学」「浪人は許さない」という家庭が多かったことが推定される。
つまり、浪人でき、かつ下宿生というのは、男性の特権だったということだ。
先ごろ、世界経済フォーラムは、ジェンダー・ギャップ指数を発表した。日本は女性の活躍の度合いが世界111位と、とても誇れるものではない。
逆差別だと騒ぐ前に、じゃあ、どうするの、ということを考えないといけないのではないか。