MLKユニフォームで勝利したホークスのファイティングスピリット
現地時間29日に行われたNBA東地区ファイナルは、アトランタ・ホークスが、ミルウォーキー・バックスを110-88で下し、対戦成績を2勝2敗とした。
ホークスは、エースであるトレイ・ヤングが右足の打撲で欠場。地区ファイナル初戦で48得点、精彩を欠いた第2戦では15点、2日前の第3戦でも35得点と、毎試合チームハイを記録するヤングは、ホークスにおいて唯一無二の存在だ。
得点源を欠いたホークスは劣勢が予想された。
しかし、ホームタウンの大声援に後押しされたホークスは、「ヤングのいない穴を、俺たちで埋めるんだ!」とティップオフから気魄の籠ったプレーを見せる。試合終了まで、1度もリードされることなく、勝利をもぎ取った。正に、スローガンである「Believe」を武器とした白星であった。
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闘争心の差で後手に回っていたバックスだが、3Q残り7分14秒にアクシデントに見舞われる。今季のオールスターゲームでMVPを獲得したエース、ヤニス・アデトクンボがアリウープを試みたクリント・カペラへのディフェンスに入る。そして、ゴールを決めたカペラと縺れ合いながら着地した折、不自然に左足を捻ってしまう。
その後、アデトクンボは自力で起き上がれず、治療のためにコートを離れた。ケガの詳細は伝わってこないが、靭帯が伸びたと語る人がいる。
アクシデントの22秒前、アデトクンボはステップバックショットを決めていた。2年連続でMVPを獲得し、昨シーズンは最優秀守備賞にも選出されている。攻守両面でリーグを代表するフォーワードがいるからこそ、バックスはここまで登って来られた。
そのアデトクンボを失ったバックスは当然のように失速し、同Q終了時には25点ものビハインドを負う。
ティップオフ時点でエース不在を受け入れ、対策を練ったホークスと、試合途中で大黒柱を失ったバックスでは、精神面での安定感が違った。
このゲームでホークスは、黒のユニフォーム、MLKバージョンを選んでいた。HAWKSでも、アトランタのATLでも、州名のGeorgiaでもなく、当地で生まれ育ち、黒人の人権を守るために闘ったマーティン・ルーサー・キング・ジュニアへの敬意を示した、彼のイニシャルだ。
地元への愛と、多くの黒人選手によって構成されている今日のNBAに対する感謝が込められている。米国内で同じマイノリティーに括られる私は、MLKユニフォームを見る度に、ホークスを身近に感じる。
Playoffを勝ち上がるチームは、ケガ人を埋める作業も強いられる。果たして、生き残るのはどこか。自身を、仲間を、組織を信じられるのはどのチームか。