全体比で53.3%…テレビを使ったインターネットの利用実情
2011年7月にテレビのデジタル化(地デジ化)が行われたことに伴い、テレビ受信機の世界も大きな変化の時代を迎えた。インターネット接続機能の実装がその流れの一つ。どこまで使われているのだろうか。その実情を総務省が2023年5月に発表した「通信利用動向調査」(※)の公開値を基に確認する。
次に示すのは各属性における、過去1年間にテレビでインターネットを利用したことがある世帯の割合。回答票選択肢には単に「テレビ」とのみあるが、インターネット接続機能を持つテレビでのインターネット利用を意味する。現状では多数のテレビがインターネットに接続できるタイプとなっており、実質的に「家庭用のテレビはインターネットへの接続ができるもの」として認識されているとの判断なのだろう。
全体では53.3%とあるので、全世帯のうちほぼ半数がテレビを使ってインターネットを利用していることになる。
世帯主の年齢階層別だが、30代の値が一番高く、40代がほぼ同じ値。その年齢階層をピークとして、それ以降はおおよそ少しずつ値を落としていく。テレビ番組は年を取るに連れて視聴する人が増える傾向にあるが、テレビを使ってのインターネット利用はそうではないようだ。もっとも、そのような傾向にあっても、80歳以上ですら1/3超がテレビを使ってインターネットを利用しているのが現状ではある。
世帯年収別ではおおよそだが高年収の世帯ほど高い値を示している。年収が上の人ほど、インターネットで色々と調べたり楽しむ余裕があるからだろうか。
世帯構成別を見ると、単身の若年世帯が低めとの構図が見えてくる。これはそのままテレビそのものの利用率と同じ形と見てよいだろう。また高齢者がいる世帯では低めになる傾向があるようだ。テレビ番組は高齢者の方がよく視聴する傾向があるが、インターネットの利用は別、むしろ忌避しているということだろうか。
テレビによるインターネットへのアクセス環境を整備し、利用ハードルを下げることで、インターネットの日常生活への普及もより一層進むかもしれない。もっともテレビが置かれている場所はおおよそ家族皆が集まるような場所なことから、プライベートな使い方は難しい。テレビによるインターネットの利用スタイルは、通常のスマートフォンやパソコン経由のような個人利用の使い方とは、少々異なる傾向を示すことになるのだろう。
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※通信利用動向調査
2022年分は2022年8月末に、「世帯向けは都道府県および都市規模を層化基準とした層化二段無作為抽出法で選ばれた、満20歳以上の世帯主がいる世帯・構成員に」「企業向けは公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業に」対し、郵送あるいはオンラインによる調査票の配布および回収の形式によって行われている。有効回答数はそれぞれ1万5968世帯(3万9557人)、2428企業。各種値には国勢調査や、全国企業の産業や規模の分布に従ったウェイトバックが行われている。
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