イラン/成功の代償(2)
中東のパワーバランスを根本的に揺り動かした事件の一つがアメリカのイラク攻撃であった。ブッシュ息子大統領政権は2003年3月イラク戦争を開始した。たちまちの内に首都バグダッドを攻略し4月にはサダム・フセイン政権を崩壊させた。そして、この年の12月にはフセインが処刑された。アメリカの軍事的な勝利であった。しかしアメリカはイラクの支配政党であったバース党を始め軍や治安警察などを解体した。これによってイラクをまとめて行く機関がなくなった。イラクは混乱した。その混乱に乗じて反アメリカ勢力が台頭した。さらにバグダッドに新たに誕生したシーア派主体の政権に対するスンニー派の反乱も起こった。イラクは内戦状態に陥った。アメリカの政治的な失敗であった。
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