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イラン/成功の代償(2)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

 中東のパワーバランスを根本的に揺り動かした事件の一つがアメリカのイラク攻撃であった。ブッシュ息子大統領政権は2003年3月イラク戦争を開始した。たちまちの内に首都バグダッドを攻略し4月にはサダム・フセイン政権を崩壊させた。そして、この年の12月にはフセインが処刑された。アメリカの軍事的な勝利であった。しかしアメリカはイラクの支配政党であったバース党を始め軍や治安警察などを解体した。これによってイラクをまとめて行く機関がなくなった。イラクは混乱した。その混乱に乗じて反アメリカ勢力が台頭した。さらにバグダッドに新たに誕生したシーア派主体の政権に対するスンニー派の反乱も起こった。イラクは内戦状態に陥った。アメリカの政治的な失敗であった。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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