Yahoo!ニュース

ドジャーズ・大谷の「名物通訳」が違法賭博関与で即刻解雇か?

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:ロイター/アフロ)

海外からトンデモナイ報道が舞い込んできました。以下火元となったLA Timesからの転載。

Shohei Ohtani’s attorneys accuse interpreter of ‘massive theft’ tied to alleged gambling
大谷翔平の弁護士、違法賭博に関与した「大規模窃盗」で通訳を告発
https://www.latimes.com/california/story/2024-03-20/gambling-story

告発の対象となったのは、ドジャーズ大谷選手の通訳として一躍有名人となっていた「水原一平」氏。水原通訳は単純な通訳業務のみならず、大谷選手のキャッチボール相手や動画撮影、運転手など、公私ともに大谷を支える不可欠な存在としてマスコミ報道においても度々注目されてきました。

上記LA Timesの報道によると、カリフォルニア州内の違法賭博に関する当局捜査において大谷選手自身の名前が急浮上。その連絡を受けた大谷選手の弁護士が独自に内部調査を行ったところ、通訳・水原氏が大谷選手の資金を大規模流用していることが判明し、その金額は数百万ドルにも及ぶと報じられています。同弁護士は即日、球団にこの事実を報告し、水原氏は即刻解雇処分となったと報じられていますが、一方の水原氏はメディアの取材に対し「真実ではない」とコメントしているとのことです。

本報道はLA Timesを火元としてまだ報じられ始めたばかりのもので、それほど多くの現地報道がない状況ではありますが、現状で存在する記事を素直に読む限りにおいて、賭博関連の事犯において選手らにとっても致命傷となりかねない「八百長」への関与を臭わせる報道は存在せず、素直に読めば単純に水原氏がカリフォルニア州で違法とされているスポーツベッティングで賭けを行い、そこに大谷選手の資金を大規模流用していた疑惑という風に読めます。

水原氏当人は「真実ではない」と容疑否定をしているとのことですが、その否定の先が「資金流用」なのか「違法賭博への関与」なのかは判りません。ただ、MLBによって定められた「リーグルール」では、MLBに所属するすべての選手、審判、各クラブ/リーグ当局やその従業員は「野球に関する」賭けに参加することを禁じられている他、その対象が野球であるかどうかに関わらず「違法な賭博」への関与は処分の対象となるとされています(出所:MLB Rule 21)。少なくともその点において水原氏の容疑は免れないと球団側が判断したのではないかと思われます。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

木曽崇の最近の記事