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新庄剛志が加わって、来シーズンの監督は3分の1が「元メジャーリーガー」に

宇根夏樹ベースボール・ライター
ボビー・バレンタイン(左)と新庄剛志 MAY 20, 2001(写真:ロイター/アフロ)

 新庄剛志が北海道日本ハム・ファイターズの監督に就任し、来シーズンの日本プロ野球には、メジャーリーグでプレーしたことのある監督が4人揃う。ここからの監督交代があれば別だが、おそらくそういうことはないだろう。他の3人は、千葉ロッテ・マリーンズの井口資仁、東京ヤクルト・スワローズの高津臣吾、東北楽天ゴールデン・イーグルスの石井一久だ。彼らは、日本プロ野球からメジャーリーグへ行き、メジャーリーグから日本プロ野球へ戻ってプレーしたことも共通する。

筆者作成
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 元メジャーリーガーの監督が4人は、史上最多だ。ここ2年の3人を上回る。この両年は同じ顔ぶれではなく、2020年の3人は、井口と高津と横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレスだった。2021年は、井口と高津と石井だ。

 この人数は、近い将来、さらに増えるかもしれない。埼玉西武ライオンズの二軍監督だった松井稼頭央は、先頃、一軍のヘッド・コーチに異動した。その前には、辻発彦監督が退任し、松井が次の監督に就任するのではないかという報道も出ていた。松井は、2004年から2010年までメジャーリーグでプレーした。2005年のニューヨーク・メッツには、松井と石井がいて、シーズン終盤に高津も加わった。

 一方、キャリアを通して1球団でプレーし、その球団で指揮を執る監督も、元メジャーリーガーの監督と同じく4人いる。読売ジャイアンツの原辰徳、広島東洋カープの佐々岡真司、横浜DeNAの三浦大輔に、中日ドラゴンズの監督に就任した立浪和義がそうだ。来シーズンから福岡ソフトバンク・ホークスで采配を振る藤本博史は、キャリアのほとんどを南海ホークス/福岡ダイエー・ホークスで過ごしたが、ラスト・イヤーとなった1998年は、4月にオリックス・ブルーウェーブへ移った。

 また、12人の監督のうち5人は、野村克也監督の下でプレーした。高津(1991~98年)と石井(1992~98年)と辻(1996~98年)はヤクルト、新庄(1999~2000年)と現・阪神タイガース監督の矢野燿大(1999~2001年)は阪神で、野村監督に起用された。ちなみに、新庄と井口は、どちらもボビー・バレンタイン監督の下でプレーしている。新庄は2001年のメッツ、井口は2009年の千葉ロッテがそうだ。

 野村とバレンタインを含め、新庄を起用した監督たちについては、こちらで書いた。

「新庄剛志はどの監督の下でプレーしてきたのか。今年のワールドシリーズで指揮を執る監督もその一人」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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