口止めあった?「岸田首相と面会」 韓国側が自国メディアに明かした対話内容
26日に行われた日本の岸田文雄首相と韓国次期政権の政策協議代表団との面会。
一部韓国メディアでは岸田首相との面会は「27日」とも予想されていたが、26日に実現した。
この日、首相官邸にて午前中に約25分間顔を合わせて言葉を交わしたのだという。
ただ、事はすべてがすんなりとも行かなかったようだ。韓国最大の通信社「聯合ニュース」は、日本側からの面会内容の「口止め」を伝えている。
韓国代表団に対し「(面会直後に)首相官邸での日本記者団のぶら下がり取材に応じないように要請」があったという。なんでも、会話の内容公開に消極的なのだという。
岸田首相との面会内容「口止め?」 韓国代表団に日本側が異例の要求(「聯合ニュース」日本版)
とはいえ、韓国の次期政権の政策協議代表団は、自国メディアには細かい話を伝えている。複数の韓国メディアでの内容を翻訳しつつお伝えしよう。
- 面会の冒頭の挨拶の様子
1998年の共同宣言を継承・発展
尹錫悦次期大統領の親書を渡した後、岸田首相から。
「ありがとうとお伝え下さい」
以下、順序は不明だがこういった内容が報じられている。
<韓国側の発言>
「金大中ー小渕間の合意(1998年の日韓共同宣言) 、つまりは『過去の歴史を直視しつつ未来志向的な関係を構築しよう』という(かつての)2人の首脳の合意精神を継承・発展させること。これが尹次期大統領の新しい韓日関係についての立場。考えは整理できている」
「(今回の)親書にもこういった主旨の内容が含まれているものと推定する」
<日本側の発言>
「金大中―小渕合意の精神を継承・発展させるということに対して、日本の総理も共感」
※韓国メディアが伝えた内容。
「懸案」徴用工、慰安婦問題について
いっぽう「中央日報」は徴用工と慰安婦の問題について「両国の懸案」として伝えた。要はメインテーマだったということ。発言内容として以下を伝えている。
<日本側の発言>
「日本側は強制徴用関連の判決による(日本企業の韓国での資産)現金化問題に対し、厳重な問題と考えている」※韓国メディアが伝える内容。
<韓国側からの発言>
「これについて韓国側も『厳重な問題としての意識は共有している』と伝えた」※韓国メディアが伝える内容。
続いて慰安婦問題に関する内容。韓国次期政権側は4月中旬にアメリカにも政策協議団を派遣しており、その際に「正しい歴史認識に基づいて、日本との関係を改善する」と話していた。そして20日にはパク・ジン元次期外相内定者が「2015年の日韓慰安婦合意は公式なものとして認める」として発言。今回、韓国側は「歴史認識」という言葉は用いなかった。
<韓国側の発言>
「2015年の慰安婦合意の精神に沿って被害者の名誉回復、心の治癒を行う精神に立ち、両国にとっての解決方法を準備する外交的努力を続けていこう」
「すべての当事者が受容可能な解決方法を見つけるために、外交的な努力に力を注ぐ」
日韓の往来復活に向け意見交換
その他、日韓関係の今後については日本メディアで報じられた「世界の情勢が変わるなか、日韓の協力関係は必要。待ったなし」(岸田首相)のほかに、こういった発言があったようだ。
<韓国側の発言>
「新型コロナにより中断されていた人的交流の活性化のための制度的基盤改善が必要」
<日本側の発言>
「同意」(岸田首相)※韓国メディアが伝える内容。
そのほか、韓国側では「来月10日の尹次期大統領の就任式出席の話はしていない」と伝えた。今回は韓国側からの招待状も用意せず。岸田首相に参加の意向があれば「韓国側としても誠意をもって迎える準備ができている」という話が報じられている。
もう一つ、韓国側の「韓日政策協議会」は25日に日本の外務省とも面会し、以下の内容を論じたとしている。
「金浦ー羽田間の路線の再開、隔離免除の適用、ビザ免除の復元などお互いの出入国ならびにコロナ防疫に対する制度的基盤の整備について日本側と緊密なやりとりを行った」
(了)