プロ野球沖縄キャンプの定番 10万部を無料配布する「攻略ガイドブック」とは?
2月1日からプロ野球の春季キャンプがスタート。温暖な気候、充実した練習環境を求める各球団が宮崎、沖縄でシーズンに向けた準備を進める。
今年、沖縄県には本島、離島を合わせてNPB9球団(楽天、千葉ロッテ、日本ハム、巨人、DeNA、阪神、広島、中日、ヤクルト)と韓国KBOリーグの2球団(サムスン、LG)の計11球団がやってくる。
(関連項目:2020年日韓22球団 春季キャンプ日程表)
その沖縄にキャンプを見に訪れた人が、必ずと言っていいほど手にするアイテムがある。「プロ野球沖縄キャンプ攻略ガイドブック」だ。
練習が行われる球場はもちろん、空港、ホテル、観光地、コンビニ(ファミリーマート、ローソン)などで、無料で入手できるこの冊子はB5サイズ、全30ページのボリュームがある。
このガイドブックについて、担当者の沖縄県文化観光スポーツ部スポーツ振興課主査の新崎啓修さんは「毎年10万部制作しています。ファンの方々から『キャンプに来る全球団の情報が入っていて、監督や選手のコメントも載っているので嬉しい』というご意見をいただいています」と話した。
2009年以来、今年で12年目の発行となるガイドブック。新崎さんは「毎年、前年の9月ぐらいからプロ野球キャンプを受け入れる市町村と意見交換会を行い、その中でガイドブックについても話し合っている」とし、野球の情報だけではなく、巡って欲しい観光地や特産品を紹介することで、キャンプが行われる地元にもプラスになるようにと考えている。
新崎さんによると今年のガイドブックにはある変化があるという。
「沖縄はキャンプの時期になると交通渋滞や駐車場の混雑があるので、公共交通機関を使っていただきたいと思っています。しかしこれまでGoogleマップでは沖縄の路線バスの情報が検索できなかったのですが、今年度から本土と同じように可能になりました。ガイドブックのQRコードを読み取れば球場への行き方が調べられます」
その他のガイドブック活用法として新崎さんは「各球団のキャンプ限定グッズも紹介しています。沖縄でしか手に入らないのでぜひ興味を持って欲しいです」と話した。
昨年2月の那覇の平均気温は20.0度。新崎さんはキャンプ時期の沖縄について、「本土とは種類が違う桜(カンヒザクラ)が見ごろです」とひと足早く楽しめるお花見を勧めてくれた。
以前、野球にあまり興味がない人から、プロ野球のキャンプ地に足を運ぶファンに対して、こんな言葉を聞いたことがある。
「わざわざ練習だけを見に行くなんて、相当なマニアだね」
その人にとってキャンプとは「運動部の合宿練習」のイメージだったのかもしれない。しかし実際のNPB各球団のキャンプ地の雰囲気はというととてもにぎやかで活気にあふれている。
通常の公式戦よりもたくさんの選手を非常に近い距離で見られ、野球、そしてチームをより身近に感じることができるのがプロ野球の春季キャンプの特徴だ。ライトなファンでも十分に楽しめる。
今年の沖縄での春季キャンプは2月下旬まで(韓国球団は3月上旬まで)行われる。
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