Yahoo!ニュース

日本代表に敗れたフィジー代表談話は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
試合前、儀式「シンビ」で威嚇(写真:日刊スポーツ/アフロ)。

 ワールドカップの日本大会開幕を9月20日に控えるラグビー日本代表は7月27日、岩手・釜石鵜住居復興スタジアムで、世界ランクが2つ上のフィジー代表に34―21で勝利。敗れたジョン・マッキーヘッドコーチとドミニコ・ワンガニンブロトゥ主将はどう感じたか。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

マッキー

「日本代表戦。非常にタフな試合を予測してきました。その意味で、予測通りになりました。前半は日本代表のスタートがよかった。非常に実行力があり、ディフェンスでのプレッシャーもありました。ハーフタイムで何とか立て直そうとしたが、残念ながら重要な攻守逆転の時ルーズボールが処理できなかった。チャンスをものにできなかった」

ワンガニンブロトゥ

「きょうは日本代表がよく、常に追いかける展開でした。とにかくボールを手にするのが重要でしたが、(ボールを奪うための)ディフェンスが難しかった。日本代表の実行力が高く、立ち遅れたところから守らなければいけなかった」

マッキー

「私たちは期待通りのプレーができませんでした。色々な所属先の選手がチームに集まってきていましたが、言い訳にはなりません。大会の1試合目で出遅れた。日本代表は戦術も長けていた。私たちは来週フィジーに戻りあと2試合、おこないます。ここでの学びを活かし、集中していきたい」

ワンガニンブロトゥ

「日本代表は攻守ともよかった。後半は常にこちらのミスを活かされた。今回の学びを次につなげたい」

――得意のオフロードパスをうまくつなげられなかった。暑さのためか。

ワンガニンブロトゥ

「天候を言い訳にはしたくないです。きょうのプレーにそういう言い訳はありません。色々な国でプレーしているので色々な天気には慣れている」

――震災のあった釜石市でプレーした感想は。今秋のワールドカップ日本大会でもこの会場を使用するが。

ワンガニンブロトゥ

「今回、初来日の選手が多い。彼らにとって日本という場所を知り、日本でプレーするのは今回が初めてです。数か月後のワールドカップに向け、できる限り多くを学びたい。釜石は素晴らしい、美しい場所。初来日の選手もとても感銘を受けた。テレビでも津波の被害を見ていますが、今日、被災地で試合がおこなわれたことはとても素晴らしい」

――先週までマオリ・オールブラックスとホーム&アウェーで試合。コンディションは。

ワンガニンブロトゥ

「選手はローテーションで交代し、メンバーの構成も適宜変わっている。できる限りいい状態で挑んでいました」

――セットプレーが強化されています。フィジーの国民性を踏まえ、セットプレー強化で心がけたことは。

マッキー

「テストマッチでは強いセットプレーが必要。きょうはスクラムがよかった。とても良いパフォーマンスがあった。ラインアウトでも私たちはスローイングのミスは何度かありましたが、モールで2つトライを取れたのはよかった」

――ベストメンバーに近いが、日本に負けた。

マッキー

「大変がっかりしましたが、テストマッチはラグビーにとってステップアップするための試合。常にワールドカップに目を向けながら、目の前の試合、試合に注力する。コーチ、シニアリーダーと議論して、集中力を高めていきます」

 なお会見は、ワールドカップと同様に同時通訳がなされた。しかし質問の趣旨が簡略化されて伝わったと見られることもあり、改善の余地を覗かせた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事